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「またレギュラーツアーの舞台に立ちたい」 ティーチングプロの荒木美友が2差2位から狙うプロ初V

荒木美友がティーチングプロの資格で出場。9アンダー・単独2位で最終日を迎える。

所属 ライター
臼杵孝志 / Takashi Usuki

配信日時:2024年4月27日 09時35分

ティーチングプロの荒木美友が単独2位
ティーチングプロの荒木美友が単独2位 (撮影:GettyImages)

<大王海運レディス 2日目◇26日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6540ヤード・パー72>

バーディは出だし1番と最終18番の2個だけ。荒木美友は1番で残り140ヤードの2打目をピン奥3メートルに乗せ、下りのシビアなフックラインをジャストタッチで流し込んだ。

昨夏はブロンドヘアーでした【写真】

自己ベストの「65」をマークし初日の再現を予感させる“おはようバーディ”だった。だが、2個目がなかなか来ない。17番までパーを並べ続けると、最終18番でやっとバーディを奪取。ビッグスコアとはならなかったが上位をキープした。2日連続のボギーなしは「多分、初めて。自分で言うのもなんだけど、素晴らしいと思います」と喜んだ一方で、9番パー5で1メートルを外すなど「初日もきょうも欲はなかったけど、さすがに入れたいと思ったパットもあった。チャンスで外しまくりました」と悔しさもにじませた。

単独首位からトータル9アンダーの2位に後退した。それでもわずかに2打差。プロ11年目の苦労人に初Vのチャンスが巡って来たことに変わりはない。愛知県名古屋市出身で、将来はプロになると心に決めて兵庫・大手前大に進んだ。「7回は落ちたかな」とプロテストの壁は厚かったが、2014年に単年登録してプロになった。18年までにレギュラーツアーは4試合、下部ステップ・アップ・ツアーは47試合に出場。14年の「ルートインカップ上田丸子グランヴィリオ」で2位になったこともある。

19年のツアー規定の改定で、単年登録制が廃止された。ツアーに出られるのは日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の会員だけ。「将来のことも考えて」とティーチングプロの道を志して22年にB級、昨年はA級の資格を取得した。プロテストとは別ルートで会員となり、年間3試合を上限に主催者推薦でツアーに出ることもできた。

だが、試練は続いた。昨年のツアー規定変更で、QT(予選会)に出るには7月に実施されたファーストQTの出場資格を争う「ティーチングプロ競技会」で上位15人に入らなければならなくなった。主催者推薦枠は撤廃。そこで4位に入って、ファイナルQTまで進み、QTランク99位の資格でようやくツアーに帰って来た。

「今もインドアのスクールでジュニアを対象にレッスンしています。でも、試合に出ることを諦めたくなかった。試合に出られることが一番うれしい」

2打差を逆転すればプロ初優勝。今年のQTは1次が免除され、最終から出場できる。「今年の目標はステップで優勝すること。シーズンは始まったばかりだけど、そうそうチャンスはないと思う。追いかける方が気持ちも楽だし難しいけど、欲を出さずにやりたい。でも優勝したい。またレギュラーツアーの舞台に立ちたいんです」。最後にレギュラーツアーに出場したのは18年の「日本女子プロ選手権」。33歳が経験をフル動員して、大仕事に挑む。(文・臼杵孝志)

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