「70代の方と一緒にゴルフをした時に、いろいろこのパターについて教えてもらいました。それくらいの年代の方が若かったころのものなんだなと、その時に知りました。その方は『こういうパターを使っている人を見たのはひさしぶりだ』と笑っていました」。また、女性がこのパターを買うのもかなり珍しかったようで、購入時にはショップの店員に「プロゴルファーの方ですか?って聞かれました(笑)」と“素性”もばれてしまったほどだ。
グリップも、もともとついていたものを剥がすことができないため、現在は薄手のテニスラケット用のものを自ら2週間に1度のペースで巻いている。ヘッドカバーも、今流通しているもので合うサイズがないため、巾着袋に包まれている。手がかかるぶん、愛情も増していく。
ちなみに両面で打てるが、「コースで左打ちをすることはないと思います(笑)」とのこと。両打ちはあくまでも練習メニューらしい。もともと、プロがこのT字型のパターを使用すると賞金をたくさん稼げるというのが由来で“キャッシュイン”と呼ばれるようになったこのタイプ。現在の女子ツアーで使用しているのは、おそらくただ1人のはずで、廣瀬も「ほかに使っている人は見たことがない」と笑う。その名前にあやかり、ここから多くの賞金を稼いでもらいたい。(文・間宮輝憲)
