<マスターズ 初日◇9日◇オーガスタ・ナショナルGC(ジョージア州)◇7565ヤード・パー72>
1963年に始まったマスターズの開幕を告げる伝統のオナラリースタート。ことしも大会歴代最多の6勝で86歳のジャック・ニクラス(米国)、大会3勝で90歳のゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)、大会2勝で76歳のトム・ワトソン(米国)の3人による始球式が行われた。その後、公式会見に応じ、活動休止中のタイガー・ウッズ(米国)について言及した。
ウッズは3月27日、米フロリダ州ジュピターアイランドの自宅近くで、無理な追い越しから車の横転事故を起こした。尿検査を拒否したことなどから、薬物使用下での運転などの疑いで、同州マーティン郡の拘置所に拘留。その後、保釈金を支払い、同日午後11時頃に釈放されている。31日には自身のSNSで活動休止を発表した。
レジェンドたちの言葉からは、ウッズへの特別な思いがにじんだ。2027年の「ライダーカップ」における米国チームのキャプテン最有力候補とされていたウッズだが、就任しないことがPGA・オブ・アメリカから発表された。それについてワトソンは「勝敗は最終的に選手のプレーで決まる」と強調。チームの力こそが結果を左右するとしながらも、その根底にはトッププレーヤーの存在価値の大きさがあることを示唆した。
ニクラスは、ウッズの活動休止の決定に「必要な支援を受けて復帰してほしい。ゴルフ界には彼が必要だ」と語り、タイガーの存在がいかに特別であるかを言葉にした。プレーヤーは、その苦闘に寄り添う。「彼は長年、強い痛みと戦ってきた。背中や脚の手術も何度も受けている」とし、過酷なキャリアの裏側に理解を示す。
そのうえで、「毎日痛みの中で生きることの辛さは計り知れない。それでも彼はゴルフ界に多くをもたらしてきた存在だ」と語り、回復を願った。時代を築いてきたレジェンドたちが口をそろえて示す敬意と願い。ゴルフ界にとって欠かすことのできない存在、それがタイガー・ウッズの姿だ。(文・高木彩音)
