<マスターズ 初日◇9日◇オーガスタ・ナショナルGC(ジョージア州)◇7565ヤード・パー72>
ゴルフの祭典「マスターズ」が開幕した。史上4人目の大会連覇を狙うローリー・マキロイ(北アイルランド)が6バーディ・1ボギーの「67」で回り、サム・バーンズ(米国)と並んで首位発進。有力選手も上位に名を連ねたが、ブライソン・デシャンボー(米国)はトリプルボギーをたたくなど出遅れた。今年から中継するTBSの解説を務める藤田寛之が初日を総括する。
マキロイのほかにも、歴代覇者のパトリック・リード、大会2勝で世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(ともに米国)、昨年のプレーオフ負けを含む3度の2位があるジャスティン・ローズ(イングランド)といった有力選手もリーダーボードの上位につけた。松山英樹も17位と好位置で初日を終えた。
マキロイの好発進について藤田は、「順調すぎる滑り出しかもしれませんね」と話す。プレースタイルからもうまくかみ合ったと指摘する。
オーガスタはフェアウェイバンカーが巧みに配置され、バンカーを避けて刻む選手も多い。しかし、マキロイはフェアウェイバンカーを越すべく、1番からドライバーを握り続けた。「事前の会見でも『難しいホールでもパワーで飛ばすことで、チャンスホールに変えることができる』といった趣旨の話をしていました。やはり昨年タイトルを取ったからこそ、本来のパワーゲームを思い切ってやれるのでしょう」。
ティショットでチャンスにつなげる場面も多かったが、林の中に曲げるシーンもあった。「曲げても高弾道のショットや曲げるボールを打ってグリーンに乗せていました。パワーがあるマキロイならではのゴルフです。見ていて楽しかったですね。そこから乗る? みたいなゴルフで。順調すぎる滑り出しともいえるかもしれません。うまくいかない人が多いなかで、数少ない順調の一人」とこの日はすんなり追えたが、大きなトラブルと背中合わせにも見えた。
うまくいかなった例の一人は、ブライソン・デシャンボー(米国)だろう。アーメン・コーナー入口の11番パー4で2打目を右のガードバンカーに入れた。ピンの先には池がある嫌な状況だが、脱出に3打を要してこのホールトリプルボギー。これが響いて「76」の56位タイと出遅れた。
「デシャンボーはバンスの少ないウェッジに替えたと情報がありました。オーガスタはグリーン周りの芝がペタっとしていて、ボールが浮かないんです。私もそうでしたが、普段よりもバンスの少ないウェッジを投入する選手も少なくない。そうするとバンカーでバンスが効かずに飛ばないことが起こります。デシャンボーはまさにそれだったのではないでしょうか」
また、1992年大会覇者の66歳、フレッド・カプルス(米国)もその一人。「私が解説を担当する時間帯が終わった時点で2アンダーでした。66歳すごいなって思って、ホテルについてシャワーを浴びたら6オーバーになっていました」
14番を終えて2アンダーと伸ばしていたカプルスは、15番パー5で3打目がグリーン手前の池につかまる。5打目の同じ池に落として7オン2パットの「9」と一気に後退した。続く16番パー3はティショットを池に落としてダブルボギー。17番パー4はフェアウェイからの2打目をグリーン奥に外すなど連続ダブルボギー。3ホールで8つスコアを落として「78」で終えた。
「いいプレーをしていても、『なんでこうなっちゃうの』ということはよくあります。百戦錬磨の選手でもハマるのがオーガスタの罠です。本当に難しいコースで、ショットのクオリティの高さが求められます。スーパーショットもあれば罠にもハマる。だから面白いんです、マスターズは。最終的にはビッグネームと調子のいい選手が上がってきます。いかにダブルボギーを打たないかが上位にい続けられる要因だと思います」
このままマキロイが連覇の道を進むのか。残り3日も目が離せない。
■解説・藤田寛之
ふじた・ひろゆき/1969年6月16日生まれ、福岡県出身。92年プロ転向。国内ツアー通算18勝。2012年に43歳で賞金王を戴冠。マスターズは11年、13年の2度出場経験がある。24年の「全米シニアオープン」2位を足掛かりに、昨年は米シニアのPGAツアー・チャンピオンズにフル参戦。葛城GC所属。
