今年2月、PGAツアーのジェイ・モナハン会長はストラテジック・スポーツ・グループとの投資合意に伴い、15億ドルの初期投資額を選手が享受する“プレイヤー・エクイティ・プログラム”の概要を発表していたが、24日に選手へその詳細が送られたことが分かった。

最初に選手に送られる出資金は約9億3000万ドル（約1440億円）で、スター選手から順に193人が4つのカテゴリーに分けられ分配を受けるという。米国のゴルフチャンネルによると、最初の36選手で7億5000万ドル（約1162億円）が分配となる。この36人は過去5年を対象に、最終戦のツアー選手権へ多く出場した者や、規定以上のツアー勝利を収めた者、さらにメジャー覇者、プレーヤーズ選手権、フェデックスカップ勝者などが含まれる。

2つめのグループは64選手が対象となり、7500万ドル（約116億円）を分配。「安定した成績、新鋭の選手」で過去3年のフェデックスカップポイントに基づく。グループ3は生涯獲得賞金、またフェデックスカップポイント125位内に入った回数などから57選手が3000万ドル（約46億5000万円）が分配される。

最後のグループは“パスト・レジェンド”として、ジャック・ニクラウス、トム・ワトソン（ともに米国）ら36選手が7500万ドル（約116億円）を受けとる。もっとも重要なことは、このプログラムには今後8年間かけて選手に支払われること。4年後に50％、6年後で75％となり、8年後には100％の持ち株を売却することができるという。

一部報道によるとタイガー・ウッズ（米国）は1億ドル（約155億円）、マキロイは5000万ドル（約77億5000万円）、そしてジョーダン・スピース、ジャスティン・トーマス（ともに米国）は3000万ドル（約46億5000万円）を受け取ることになるとされた。

今週の米国男子ツアー「チューリッヒ・クラシック」の会場でこの“プレーヤー・エクイティ・プログラム”について「PGAツアーに忠誠を誓った選手として十分な金額か？」と聞かれたマキロイは「ここ数年で学んだことの一つは、十分というのはない、ということだ」と高騰する金額を皮肉った。（文・武川玲子＝米国在住）