都内の練習場で行われたアマチュア向けレッスンイベント「Play Golf with Hideki Matsuyama 2025」に松山英樹が出演した。
前週にツアー外競技「ヒーローワールドチャレンジ」を制して迎えた同イベント。指導者としてジュニアの前に立つだけに「説得力がある状態で来れて良かった」と笑顔を見せた。
今季は開幕戦「ザ・セントリー」を制し、幸先のいいスタートを切ったものの、その後はトップ10入りがなくシーズンを終えた。「状態が悪くないと思っていた中で結果が出なかった」と、もどかしさを抱えながら戦ってきた。そんな中で迎えた自身最終戦での勝利。「やっぱり状態は悪くなかったと認識できてうれしかった」と、胸をなで下ろした。
「世界を夢見る次世代ゴルファーを応援したい」という松山の想いのもと、このジュニアレッスンも今年で3回目を迎えた。教える立場としてドライビングレンジに立ち続けた一方で、逆にジュニアから刺激を受ける場面も多かったという。
「考えて質問をしてくれる。自分自身はそこまで考えてやっていたかな」。自身のジュニア時代と重ね合わせながら、熱心に教えを乞う姿勢に感銘を受けた様子。さらに「飛ばす子も多かったですし、自分の得意不得意を分かっている子が多かったです」と、今のジュニア世代のゴルフへの向き合い方にも驚かされた。
マンツーマンで行われたレッスンでは、技術的なことはもちろん、普段のプレーに関する質問も数多く飛び交った。「伝えきれなかった。もっといい言葉があったんじゃないかと思います」と、熱心なジュニアたちへのアドバイスに悩んだ様子も見せた。それでも、松山と過ごした贅沢な時間は、ジュニア達にとって今後のゴルフ人生の大きな財産になるに違いない。
「そういう支援をやって、より世界を近く感じられるようなことをやって行けたら」。同イベントはもちろん、10月の「ベイカレントクラシック Presented by LEXUS」では、自身の名を冠したアマチュア向け予選会「Hideki Matsuyama Amateur Challenge Presented by LEXUS」も実施するなど、アマチュアの挑戦を後押ししている。
「一人でも多く、育ってくれればと思います」。世界の第一線で戦い続ける松山は、強い日本人選手が育つことを誰よりも願っている。(文・齊藤啓介)
