<マスターズ 初日◇9日◇オーガスタ・ナショナルGC(ジョージア州)◇7565ヤード・パー72>
ゴルフの祭典「マスターズ」が開幕した。2021年の覇者で2度目の優勝を狙う松山英樹は、初日2バーディ・2ボギーの「72」で回り、首位と5打差の17位タイで滑り出した。過去2度の出場経験があり、今年から中継するTBSで解説を務める藤田寛之は松山のプレーをどう見たのか。
15回目の出場となった松山の初日は、フェアウェイキープ率64%(9/14)、パーオン率は61%(11/18)、平均パット数は1.5という数字だった。「全体を通してショットは安定していましたが、チャンスがあったかというと、そうでもない。大きなミスはほとんどなく、ショットに関しては良くもないけど悪くもないと感じました」。
開幕前から2勝目のカギに挙げていたパッティングについては、「かなりいい状態ではないかと見ています」と声のトーンを上げる。ショットやアプローチは世界でもトップクラス。「その年のマスターズのグリーンにタッチが合うか、入るかがポイント。初日を見る限りでは、今年は上位で争えるんじゃないかと期待が持てます」と興奮気味に話した。
今年のオーガスタのグリーンは、現地情報からもスピード、硬さともに十分と伝わる。グリーンを狙うショットが想像以上に奥に転がるシーンもあった。「松山選手はそのスピードに合っていると感じました」とパットの名手は太鼓判を押す。
初バーディの10番(パー4)は6メートル、15番(パー5)は2メートルを沈めたが、ピンチを救ったのもパッティングだった。5番(パー4)は2.5メートル、14番(パー4)は3メートルほどのボギーパットを沈め、ダブルボギーを回避した。
「テレビで見ているより相当難しいコースです。4日間通してダブルボギーを打たないことはとても大切。この2ホールはかなり大きいです」。スコアロスを最小限に食いとどめた2つのボギーパットを見ても、状態の良さを感じるという。
また、最終18番パー4の3打目アプローチも絶賛した。グリーン奥に切られたピンに対し、松山の2打目はグリーン奥へ外れ、ピンまでは約10ヤードを残した。
「ボールのライは短く刈り込まれた逆目で、奥からグリーン面は下り傾斜。ボールからグリーン面までは膝からスネくらいの高さがある砲台です。その山をキャリーで越えて止めないといけない難しい状況でした。しっかりスピンコントロールして寄せるのは、さすがです」
難しい場面でも涼しい顔で寄せワンを拾うあたりに、松山の技術の高さがうかがえる。
初日の17位という順位にも「いい位置」と話す。「初日から優勝うんぬんという話はまだ早いですが、まず出遅れないことが大事。逆に初日からトップだとマスターズの重圧もあるので、(17位は)好位置だと思います。3日目を終えて、リーダーボードの上位に名前が載るような位置にいればいい」。残り3日間、日本のゴルフファンにとって寝不足の日々が続きそうだ。
■解説・藤田寛之
ふじた・ひろゆき/1969年6月16日生まれ、福岡県出身。92年プロ転向。国内ツアー通算18勝。2012年に43歳で賞金王を戴冠。マスターズは11年、13年の2度出場経験がある。24年の「全米シニアオープン」2位を足掛かりに、昨年は米シニアのPGAツアー・チャンピオンズにフル参戦。葛城GC所属。
