<マスターズ 初日◇9日◇オーガスタ・ナショナルGC(ジョージア州)◇7565ヤード・パー72>
昨年の「日本オープン」優勝資格で初出場した片岡尚之が、“オーガスタ”の洗礼を受けた。2バーディ・6ボギー・4ダブルボギーの「84」で、12オーバーは90位の最下位。重い足取りで取材に応じ、「難しかったです…」と悔しさをにじませた。
冷え込みの厳しい朝、ダウンジャケットを着用する人の姿も見られるなかで1番からスタート。ティショットをアゴの高いフェアウェイバンカーに入れるも、花道まで運び、約25ヤードのアプローチを80センチに寄せてパーセーブ。ピン左手前の強い傾斜を巧みに使った一打に、パトロンから大きな拍手が送られた。
続く2番パー5でバーディ先行。約20ヤードのバンカー越えのアプローチを約3メートルに寄せて、1パットで沈めた。
しかし、3番で早くもコースの難しさに直面する。芝の薄いフェアウェイと硬く速いグリーンに苦しみ、花道から約20ヤードのアプローチは強く入りってグリーン奥へ。そこからの下りのアプローチは3メートルショートし、2パットのダブルボギー。「精神的にダメージが来た」と振り返った。
それでも、左ドッグレッグの5番では、左ラフから正面に木が邪魔する状況で大胆なフックボールを放ちグリーン手前に運ぶなど、攻めの姿勢は崩さなかった。
5番、7番ではスコアを落とすも、9番では意地を見せる。2打目をピン左に落とし、一度奥へ転がったボールは下り傾斜に乗って80センチについてバーディ。グリーンを囲む大勢のパトロンから歓声を浴びた。
グリーンだけでなくフェアウェイにも起伏があり、良いショットでもキック次第でラフや林へと流される。さらに池やクリークが絡むホールも多く、“世界最高峰”と称される難度の高さが牙をむいた。
後半はさらに難しさが増した。木々に囲まれ風向きが読みづらく、池やクリークが絡むホールが続くことでプレッシャーが増幅。バックナインは“魔物が住む”とも言われるが、その言葉を体感する展開となった。
10番ではティショットが木の根元に止まる不運もあり、15番では池につかまりダブルボギー。まさに“オーガスタの洗礼”だった。
日本ツアーでも経験のない「84」というスコアに表情は沈む。それでも「切り替えて…」と前を向き、調整に励んだ。(文・高木彩音)
