<マスターズ 2日日◇10日◇オーガスタ・ナショナルGC(ジョージア州)◇7565ヤード・パー72>
「8個ぐらい伸ばして、予選通過しようと思って回りました」。初日に「84」を叩き、最下位で迎えたこの日。初出場の片岡尚之は気持ちを立て直し、巻き返しを期してティオフした。
前日は日本ツアーでも経験のないスコアにショックを隠し切れない様子だった。ホールアウト直後は、思考やメンタルを整理する間もないまま囲み取材に応じることに。極限の精神状態のなかで言葉を探す余裕もなく、思わず「正直、やる気はゼロになってしまった」という言葉を漏らしてしまった。
その言葉について「反省しました。プロとして、いろんな方に失礼でした。本当に申し訳ないです」と報道陣に向けて謝罪した。前日は宿泊先で食事を終えた後、翌朝まで自身の発言を伝える記事を見続けていたという。「たくさんの方に不快な思いをさせました。言動と行動はプロとしてしっかりしないといけない」と続け、自らの言動を重く受け止めた。
いくらプロとはいえ、本気で取り組んでいるからこそ、思うような結果が出ないときには感情が先行し、投げやりになることや、心ここにあらず…となることもあるだろう。それでも片岡は、その一瞬の感情を冷静に受け止め、自身の立場を見つめ直しながら、謝罪の言葉を繰り返した。その姿には、言動の重みと向き合おうとする姿勢がにじんでいた。
巻き返しを狙ったこの日は、5バーディ・5ボギー・1ダブルボギーの「75」だった。「スコアは出せなかったですけど、きょうはたくさんバーディも取れましたし、そこは良かったと思います」と安どの表情を見せる一方で、「悔しかったし、やってみないとわからないというか、もっと練習ラウンドでやったほうがいいことも、今回、わかった。試合になると思うようにいかないこともわかりましたし、またリベンジできたら」と悔しさをにじませながらも、前を向いた。
この2日間は米ツアー通算6勝のマックス・ホーマ(米国)らと同組でプレー。トップ選手とのラウンドを通じて「飛距離が足りない」ということを自覚。「ここから毎年、飛距離を伸ばしていけるように頑張りたい」と課題を口にした。
さらに「グリーンを外したらボギーになった。日本だと寄せワンができない場面はない。それだけ難しいセッティング」とオーガスタの厳しさも実感。世界最高峰の舞台で得た経験を、今後につなげていく。
これまではテレビ中継で見ていた憧れの舞台。昨年の「日本オープン」で7打差を逆転し、優勝した資格で出場した。ロープ内から見える景色は想像を超えていた。「パトロンの数もそうですし、クラブハウスの(環境)も徹底していて、本当に最高レベル。環境も、コースの難易度も、出ている選手も最高。夢のような時間でした」と振り返った。
今年も日本オープンがやってくる。「積極的に狙って、もしまた(マスターズに)出られることになったら、“次こそは…”という気持ちで1年間、頑張りたいと思います」と闘志を見せた。28歳の挑戦は続く。その成長の歩みを、これからも見守りたい。(文・高木彩音)
