米国男子ツアーで36年ぶりにダブルス競技で開催されている「チューリッヒ・クラシック・オブ・ニューオリンズ」。1つのボールを交互に打つフォアサム方式など、独特な形で競技が進行する今大会では、通常の個人競技と違った戦略が求められる。
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その意味で、個人戦と大きく違うのはチームメイト同士で“相談”ができることだ。通常、プレーヤーはキャディとのみコース戦略などを相談できるが、今大会に限っては同じフィールドでプレーする競技者(※チームメイトに限る)に番手やグリーンのラインを聞くことができる。これは大きなメリットのように感じられるが、松山英樹や谷原秀人の話を聞くと、決してそうとは言い切れない面もあるらしい。
「飛距離も違えば、番手も違うし、同じコースでプレーしているとはいえ参考にならない面も出てくる」と話すのは松山だ。昨年、石川遼と共に同じダブルス競技の「ワールドカップ」に出場したが、その時に「遼がプレーするときにあれこれ口出ししすぎたなって思ったんですよ。だから今日は(谷原に)言わない方がいいかなと思ってやっていました。実際、同組のステンソンとローズも同じようにプレーしていましたね」。同じピンを狙うでも、パワーや球質が変われば選ぶクラブも変わる。個人による攻め方の好みのようなものもあるだろう。相談できるのはありがたいが、ある種の難しさもそこにあるのだ。
では、プレー中、一切相談しなかったのかというとそうでもない。谷原によると、「たとえばグリーン上では、自信があるときはそのまま行くけど、迷ったら相談してみんなで考えました」とのこと。ショットに関してはそれぞれに任せていたが、グリーン上だけは相談することもあったわけだ。ただしかし、「カップを狙うタッチも人によって違ってくる。ラインを読むのもどこまで参考になるか難しいところがある」(谷原)。やはり、相談するのが必ずしもメリットがあるとは言い難い。