「今は60度のウェッジもあるから、自分がプレーしていた当時よりは出しやすくなっていると思う」。当時のサンドウェッジはロフト角56度が主流。90度近くにそびえたつ壁に近ければ、いくらフェースを開いても脱出は困難だったという。
「ただ、バンカーの外から見るよりも中に入ってみるほうが想像以上に壁が高くて近いんです。また、バンカーを越えたところからグリーンが下り傾斜になっているので、手前に落とさないといけない。グリーンがダウンヒルになっているせいで難しくなっている」
さらには前述したグリーン奥のトラブルもあって、余計なプレッシャーがかかるというもの。ちなみに日曜日の練習ラウンドで松山は、左からの風に対してドライバーを振り抜きフェアウェイ右サイドの傾斜地へ。いくつものコブがある場所に止まり、そこからグリーン右手前に運んだ。
今年は150回目の記念大会。17番のバンカーにボールが吸い込まれるたびに、トミーの愛称が繰り返し呼ばれることがあれば、新たなドラマが生まれる可能性もありそうだ。(文・高桑均)