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アンダードッグ対決 勝敗を分けた紙一重の差【舩越園子コラム】

アンダードッグ対決 勝敗を分けた紙一重の差【舩越園子コラム】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2022年1月31日 11時18分

デビュー早々にマスターズで優勝争いに絡んだことは大健闘。しかし、だからこそ惜敗の印象が色濃く残り、その後の度重なる惜敗と相まってアンダードッグと見なされるようになった。

今大会3日目を首位タイで終えたとき、ザラトリス自身が「いまだに僕は自分がアンダードッグだという気がしている」と言った。勝てる気がしないという意味だったのだろう。もちろん、望みを捨てていたわけではなく、「いつかは僕の番が来る」と願っていた。

華奢(きゃしゃ)な体型で「スタミナが欲しい」と願った彼は、このオフ、筋力増強に必死に取り組み、7〜8キロの重量アップに成功。飛距離も10ヤード以上アップし、「ブライソン・デシャンボーのようには、すぐにはならないけど、飛距離が伸びたことは大収穫」。それでも彼は「自分はアンダードッグだ」と心のどこかで感じていたという。

一方のリストは、屈指のショットメーカーながら、不得意なパットがいつも足を引っ張っていた。だが、今大会最終日は突然パットが絶好調になり、得意なショットとの相乗効果で猛チャージ。首位から5打差でスタートしながら、ザラトリスを捉えた。そして、後半1つもバーディを奪えずにきたザラトリスが72ホール目もバーディパットを沈められず、2人はサドンデス・プレーオフへ。かくして、アンダードッグ対決となった。

先にホールアウトしたリストは、すでに2時間近くも練習場で待機しており、その間に絶好調だったショットとパットの感覚が失われていないだろうか、と心配された。

1ホール目の18番。2人ともフェアウエイ・バンカーにつかまり、2つのボールは砂上の至近距離に並んで止まった。ザラトリスのライは良好、リストは目玉。状況的にはリストのほうが不利だと思われた。

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