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「ヒデキが勝つと思っていた」肌で感じた“圧倒的”な期待 松山英樹、全米プロ17年“涙の敗戦”舞台裏【大ちゃんに聞く】

「ヒデキが勝つと思っていた」肌で感じた“圧倒的”な期待 松山英樹、全米プロ17年“涙の敗戦”舞台裏【大ちゃんに聞く】

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2021年5月20日 15時31分

進藤氏が回顧する。「1打のリードのなかで競っていました。そこからひとホールずつ集中して消化すればいいのですが、どこかで意識し過ぎたのかもしれません」。10番でもバーディを奪いながら、11番から痛恨の3連続ボギー。「11番のティに立ったときに、違う感覚があったんです」。

14番、15番で連続バーディを奪う巻き返しを見せたが16番で1.5メートルのパーパットを外し万事休す。「キャディとしてちゃんとしたアドバイスをしないといけないのに、ナチュラルにそれができていなかったのかもしれません。正直、何を話していたか覚えていません。それくらいプレッシャーの中にいたのでしょう」。想像を絶する重圧との戦いだった。

■まさか負けるなんて… 信じていた勝利がこぼれ落ちた

最後は同組のジャスティン・トーマス(米国)に優勝をさらわれた。敗戦が決まったとき、進藤氏は何を思ったのか。「処理しきれない感じでした。まさか負けるなんて、という感じです。自信過剰というわけではなく、それくらい信じていないとメジャーでは戦えないんです。何かが抜け落ちる感じ、そのときはそんな気持ちでした」。

ホールアウト後、松山はテレビインタビューで涙をこらえたが、終わった瞬間うずくまり、涙を流した。そのとき進藤氏は、静かに車で待っていた。敗戦直後の帰路。「何を話したか…、覚えていません。全米プロが終わると、次の4月までメジャーがないんです。長いな…、そう思いましたね」。シーズン最後のメジャーで悔し過ぎる敗北。気持ちを立て直すまでに時間がかかったのはいうまでもない。

その後、松山は勝利から遠ざかり、進藤氏も18年末をもってキャディ業から離れた。そして今年、松山はついにメジャーチャンピオンに上り詰めた。その横に進藤氏はいなかったが、松山と進藤氏が歩んだ6年間、そしてこの敗戦は、この偉業のための序章だった。

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