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「どんな肌の色をしていても人は同じ」アフリカ系米国人のバーナーIIIが首位発進

「どんな肌の色をしていても人は同じ」アフリカ系米国人のバーナーIIIが首位発進

配信日時:2020年6月12日 14時37分

米国男子ツアー再開戦初日に輝きを見せたのは、大会前から注目を集めていたハロルド・バーナー・III(米国)だった。1番、2番で連続バーディを奪うと前半「31」をマーク。後半に入ってもショットのさえは失わず、12番で80センチにつけてバーディ。最終18番も3メートルを沈め「63」のスタート。ジャスティン・ローズ(イングランド)を捉えた。

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「スーパーソリッドなラウンドだった」というバーナーは、アイアンショットがさえてグリーンを一度も外さなかった。これは同コースでは1997年のタイガー・ウッズ(米国)、2010年のクリス・ブランクス(米国)に続く記録で、好スコアに繋げた。

29歳、オハイオ州アクロン出身のバーナーは、PGAツアーでも数少ないアフリカンアメリカン、いわゆる黒人選手の一人。先月25日にミネソタ州ミネアポリスで白人警官に暴行を受け亡くなったジョージ・フロイドさんの事件で世界中に人種差別への抗議活動が起こるなか、自身のSNSで「世界にはたくさんの美しいもの、愛がたくさんある。平等と公平が守られることを祈る。どんな肌の色をしていても人は同じ。お互いが世の中を変えることが必要だ」とメッセージを発信。自身が黒人であることから「たくさん言いたいことがある」と3ページにわたる自身の思いをレターに託し、ゴルフを通じて人種差別をなくすことに声を上げている。

会見で『3カ月ぶりのPGAツアー再開で一番戸惑ったことは?』と聞かれると「ハグできないこと。僕はビッグハガー、誰にでもすぐにハグするから、それができずに困ってしまった」と笑う。抗議活動に声を上げたが、一方で「コースに入れば、もうそのことは考えない。一番大事なことはいいプレーをすること。そこに集中していた。あと3日。優勝はまだまだ考えないけれどすごく楽しみ」と満面の笑みだった。

いまだツアー優勝なし。ひょうきん者で明るい性格のバーナーが、秘めたパワーを見せつけるときが来た。人種差別に思うことはあっても、まずはコース上で存在感を示す。(文・武川玲子=米国在住)

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