最終日の稲森のドライビングディスタンスは292ヤード。この日トップだったルイ・ウーストハウゼン(南アフリカ、343ヤード)とは51ヤードの差がある。「10〜15ヤードは伸ばさないと。自分のドライバーショットが、海外の選手が握るそれ以外のクラブに軽く抜かれる。仕方ないことかもしれないけど、せめて球筋の質というか、風に簡単にあおられないようにしないと」。日本選手にとって切っても切れない課題を持ち帰ることになった。
「いまだに予選を通ったのが不思議なくらい」というが、初の全英オープンで4日間を戦い抜き、前日までの安定したプレーはガマンのすえにつかんだものだ。それでも「何をやってもボギーなので、完敗ですね」という印象が最後に植え付けられた。
今後については「ドライバーを修正したいけど、その前に一回気持ちをリセットしたい。今は悪いイメージが染みついてしまったので。来週はクラブを握る回数を抑えようかな。練習場には行くかもしれないけど、少しゴルフから離れようかな」と、少し“心の整理”を行うつもりだ。それでも「これだけしこたまやられたので、またチャンスがあれば、ぜひ戻ってきたい」という気持ちは消えない。タフな戦いで負ったキズを癒したあと、リンクスに打ち勝つための新たな取り組みが始まる。(文・間宮輝憲)
