レギュラー・キャディだったら1000万円以上のはずの謝礼が、ローカル・キャディには50万円前後。確かに後者は「とても安い」金額である。だが、選手とキャディの取り決めは本来は個人契約で、その内容は公に明かされるべきものではない。とりわけ第三者が介入すべき話ではない。
その点に対し、ある米メディアは「クーチャーはトッププレーヤーゆえ、普通の選手とはワケが違う」と書いていた。一種の有名税という意味だった。
そして、コトの経緯をたまたま知り得た元選手のギリスがそれをツイッターで明かし、SNS上で物議を醸した結果、ローカル・キャディの懐が「正当に潤った」「民意がコトを動かした」と捉える向きが米ゴルフ界には多く見られる様子である。
その通り、トッププレーヤーたちの言動は社会に影響を与えるからこそ、彼らには責任がある。そしてローカル・キャディへの謝礼が約50万円から約500万円に増えたこと、クーチャーがそうしようと思い直したことは、最終的には良い結末と言えるのかもしれない。
だが、すっきりしないことがある。いきなりツイートするのではなく、まずクーチャー本人に打診するなど別の方法があったのではないかという疑問は、どうしても拭えない。
