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M・クーチャー騒動を、どう見る?【舩越園子コラム】

M・クーチャー騒動を、どう見る?【舩越園子コラム】

配信日時:2019年2月18日 17時34分

「ブーイング」と言えば、人々が不満や落胆の意を込めて一斉に「ブーーー!」とやるもの。だが、マット・クーチャー(米国)に対して投げかけられる「ク〜〜〜(チ)!」は彼が好プレーを披露したときに人々が親しみを込めて送る彼専用の声援だ。クーチャーが米ツアーきってのナイスガイであることを知っているからこそ、人々は長年、そうやって彼を応援してきた。

「マヤコバ・ゴルフ・クラシック」を制し笑顔のマット・クーチャー

しかし、先週の「ジェネシス・オープン」でクーチャーに向けられたのは、いつもの「ク〜〜〜(チ)!」ではなく「チーーープ!」だった。それはクーチャーがローカル・キャディに支払った謝礼が「チープ=安い」という批判や揶揄の声。その場に居合わせた人、見聞きした人は、果たしてどんな気持ちを抱いたのかが気になる。

コトの次第をざっと振り返ると、昨年11月に「マヤコバ・ゴルフ・クラシック」を制したクーチャーは、129万6000ドル(現在のレートで約1億4256万円)の優勝賞金を手に入れた。だが、「現地メキシコで雇ったローカル・キャディに払ったのは、たった3000ドル」という内容を元米ツアー選手のトム・ギリス(米国)が今年1月に突然ツイートし、騒動になった。

クーチャーは「お互いの元々の取り決め以上の5000ドルを支払った。自分に非はない」と主張。しかしSNS上では「キャディへの謝礼は優勝賞金の10%が通例。5000ドルはあまりにも少ない」と批判が続出した。ついにはローカル・キャディ本人が米メディアの取材に応え、5万ドルを求めているが、はぐらかされたと語り、騒動はさらに大きくなった。

そこでクーチャーはジェネシス・オープン開幕前にあらためて声明を出し、「サンキューの気持ちを込めて5000ドルを払った」と詳細を伝えたが、「1日200ドルで働く人にとって1週間5000ドルは超ビッグ」という言葉が火に油を注ぎ、騒動は激化した。

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