<Qシリーズ(最終予選) 4日目◇7日◇マグノリア・グローブGC(アラバマ州)◇フォールズC=6643ヤード・パー71、クロッシングスC=6664ヤード・パー72>
雨がぱらつくなか現地時間午前8時(日本時間午後11時)に第3ラウンドがスタートした7日は、選手たちにとって“待ちぼうけ”の一日になった。だんだんと雨脚は強くなり、グリーンやフェアウェイに水が浮く状態に。午前8時33分にフォールズCの1番ティから出た渋野日向子は、2番パー3のティショットを打ち、その着弾点になったグリーン前まで来た時に中断が告げられた。その時間は午前9時5分。スタートからわずか32分後のことだった。
選手たちは最初、グリーン近くで雨宿りをしながら復旧作業を見守っていたが、およそ17分後の午前9時22分にはクラブハウスへ引きあげるようにと指示が。そしてこれが、長い待機時間の始まりになった。
クラブハウス内のレストランや、車など、選手はそれぞれ居場所を見つけてアナウンスを待った。雨はすぐに止んだのだが、コースコンディションが思わしくなく、幾度の“延長通知”が選手たちに届いた。すっかり昼時になり、選手や関係者らは昼食をとりながら再開を待ったが、お腹を満たしてもまだまだ目処は立たない。
ついに…というべきか、『午後2時30分再開』とようやく告げられたのは、午後1時30分頃。実に5時間25分にも及ぶ中断だった。選手たちはそこから一斉に練習場に向かい、体を温めなおした。
西村優菜は「スタートしてなかったのがラッキーでした。けっこう長かったです…」と、その時の心境を話す。まだ終盤の組はスタートすらしておらず、西村もそのひとりだった。午後2時過ぎには、選手たちはそれぞれのホールに移動し、実際に再開のホーンが鳴ったのは午後2時26分頃。この時点で誰ひとりホールアウトできないまま、日没サスペンデッドになることが確定的だった。ラウンド終了を告げるホーンが鳴ったのは午後4時15分。再開からわずか1時間45分後だった。
今年の予選会は、初日の競技が行われる予定だった4日(木)も大雨のため中止になっていた。開始が1日送れ、5日間競技の今大会は、予備日として設けられた9日(火)に最終日を行うことが決まっていた。今年と同じ会場で行われた昨年、一昨年も雨の影響で予備日まで決着がもつれていた。そしてきょう、本来の90ホールから、72ホールに短縮されることが決まった。
ちなみに、グリーン前から再開した渋野は、7メートルほどありそうなカラーからの2打目をパターで打ち、これを決めた。見守った人たちからも拍手と歓声が送られる。“水入り”にも流れを崩すことなく、さらにその後も6番でバーディ。2つ伸ばしてトータル5アンダーの暫定12位タイに浮上した。
西村優菜は中断直前のバーディで暫定6位タイ。櫻井心那は暫定11位、伊藤二花は暫定67位タイにつけている。
なお、あすの大会5日目は、午前8時に第3ラウンドが再開される見込み。また、同日中に3ラウンドと4ラウンドを実施予定で、回り切れなかった分が9日に持ち越しとなる。短縮競技への変更に伴い、90ホール実施時は第4ラウンド終了時点の下位選手がそこで“足切り”になるというルールがあるが、今年はすべての選手が最後まで回り切ることができる。そして25位タイまでが来季出場権を獲得する。(文・間宮輝憲)
