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「また1打足らず落ちるのか…」 絶体絶命の窮地を救った“超難パット”で喜びのち涙【谷田侑里香“最高峰への道”】

高校1年間と大学4年間を米国で過ごした谷田侑里香(たにだ・ゆりか)は、米女子下部にあたるエプソン・ツアーを主戦場とするプロゴルファーだ。昨シーズンは下部ポイントランキング52位でシードを獲得した。目指すは、長年夢見てきたLPGAツアー参戦。その姿を追う。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2025年8月8日 12時00分

親友でもある大学時代のチームメートとタッグを組んだ3日間は、苦しさを乗り越えるための大きな3日間にもなった(写真:本人提供)
親友でもある大学時代のチームメートとタッグを組んだ3日間は、苦しさを乗り越えるための大きな3日間にもなった(写真:本人提供)

高校1年間と大学4年間を米国で過ごした谷田侑里香(たにだ・ゆりか)は、米女子下部にあたるエプソン・ツアーを主戦場とするプロゴルファーだ。昨シーズンは下部ポイントランキング52位でシードを獲得した。目指すは、長年夢見てきたLPGAツアー参戦。その姿を追う。

【写真】谷田侑里香を支えた日本人の“応援団”とも記念撮影



みなさん、こんにちは! 先週のインディアナ州での試合を終え、私は今、カリフォルニア州にいます。ここで知り合いの自宅に滞在させてもらい、来週には試合会場があるオレゴン州へと向かいます(15~17日、ワイルドホース女子ゴルフクラシック)。私の自宅があるフロリダがものすごく暑いのと、今回は東から西へと会場が移るため、時差調整も兼ねて、カリフォルニアで調整しています。

先週のこの転戦記では、苦しい胸の内をお話させていただきました。1打及ばずの予選落ちが続いたり…、悩みの真っただ中にいました。そんななかで先週の試合は、自宅にも泊まらせてもらっていた大学時代のチームメイトで、親友のケーティーがキャディを務めてくれました。「楽しくラウンドできれば、それがゴール」。そう決めて、2人でコースに向かっていました。

そして結果的に、ここで今後に向けて大きな意味を持ちそうなできごとも起こりました。

それは2日目のこと。この日、私はインコースを回った前半で1つ落としたものの、後半の5番パー5でバーディを取って、トータルでイーブンパーに戻すという展開でした。ただ、次の6番が4パットのダブルボギー。痛恨の4パットでショックも大きく、次の7番はパー5だったのですが、ここでもパターを外してのパーと、流れは決して良くありませんでした。

ただ、ここで「反省するのはラウンド後でいい」と、前を向くことができました。キャディの友達にもそう告げ、「今は目の前の一打に集中して、6番のことは帰ってから一緒に分析、反省しよう」という話しも。2人で鼓舞して終盤の2ホールに向かいました。この時の私のスコアはトータル2オーバーで、カットラインは1オーバー。私は、この日の最終組でプレーしていたので、そのカットラインが動くことはありません。決勝に進むために、1打ビハインドという状況でした。

この8番、9番は難しく、8番はパーという結果に。バーディを取らないと予選落ちという局面で、最後のパー4を迎えることになりました。ピン位置はグリーン奥。セカンドショットでは手前からいくか、ピンを攻めるかの判断も求められました。「守っても仕方ない」と、私はピンを狙っていったのですが、ボールが止まったのは奥のカラーでした。

ここが厄介な場所だったんです。カップまで6ヤードほどだったのですが、下りで、かつ90度フックするといっても過言ではない難解なライン。思わず「難しすぎるでしょ」という言葉が出てくるほどでした。ただケーティーが「狙ったところに打って。大丈夫だよ」と声をかけてくれ、覚悟を決めることができました。すると、パターで狙った“バーディパット”がカップイン。おそらく、20球打っても1球も入らないだろうというパットを決めたこともあり、思わず両手をあげてバンザイし、ジャンプして喜んでしまいました(笑)。

このパットを打つ前、「3週連続で1打足らずに落ちるのか」という考えも頭をよぎりました。そんななかで、この勝負の一打を決めて決勝ラウンドに進めたことが、今の私にはとても大きな意味を持つできごとだったのです。このプレーの後、9番でフォアキャディをしていた人からは、『一日、いろんな選手のプレーをここで見てきたけど、あの位置から決めたのは、たったひとりだけだったよ』と言われ、改めて、その難しさを痛感しました。

このパターを決めて喜んだ後、私は思わず泣いてしまいました。優勝したわけでもないですし、一打がうれしくて泣いたという経験もこれが初めてです。

2日目のホールアウト時間は午後8時前だったのですが、この日は日本のギャラリーの方が3名、ずっと私の組について最後まで応援してくださいました。3日間、全ホールについてくださった方もいたし、そんなみなさんにヘタなプレーを見せられないとも思っていました。苦しいラウンドだったのも見て分かってくださっていたので、最後は一緒に喜んでくれたことが、何よりもうれしかったです。応援の力はすごいな。そんなことを改めて感じた日でもありました。

今は先週の試合前とうって変わって、とても前向きに過ごせています。ケーティーは、「ユリカが『反省は後ですればいい』って言った時、残りの2ホールでバーディが取れると思ったわ」と言ってくれました。苦しい時こそ、前を向かないといけないのかもしれませんね。今の課題は「100ヤード以内のショット」、あとは「パター」と明確です。次の試合に向けて、ここをしっかりと調整していきます。来週も全力を尽くしていきますので、ぜひ、応援をよろしくお願いいたします!

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