<メイバンク選手権 最終日◇1日◇クアラルンプールG&CC(マレーシア)◇6536ヤード・パー72>
山下美夢有が大会連覇を達成した。単独首位から出た最終日に5バーディ・1ボギーの「68」で回り、最後まで追いつかれず、2打差を守り切った。
昨年は伸び悩む上位勢を8打差から追い上げ、プレーオフに持ち込んで制した。追われる立場になった今年は最終日、最終組に最後まで緊張感が漂った。ヤン・リウ(中国)が5番パー5でイーグルを奪うと、その後も持ち味の飛距離を武器にバーディチャンスを次々と作り、山下にプレッシャーをかけ続けた。
「とくに苦しい18ホールでした。絶対に伸ばさないと優勝はできないと思っていた。自分のプレーに集中はしていたけれど、ヤン選手が本当にいいプレーをされていたので、いい緊張感のなか気が抜けなかった」
前半9番でボギーを喫し、1打差で後半に入った。11番パー3では山下が5メートルを先に沈めても、ヤンが2メートルを決めて譲らない。背後にピタリと迫られたが、14番でヤンがボギー。2打のリードを持って迎えた最終18番パー5、4メートルの「絶妙な距離」のウイニングパットを沈め、両手を高々と突き上げた。
日本勢最速の46試合で米ツアー通算5勝目。最終日最終組での逃げ切り優勝は、「AIG女子オープン」(全英)、「CPKC女子選手権」に続いて3度目となる。「最後まで緊張感のあるプレーだった。こうして優勝できたのは自信につながる」。
日本勢による米ツアー連覇は1987年、88年「サンディエゴ 稲盛クラシック」での岡本綾子以来38年ぶり。年間3勝は最多5勝をマークした宮里藍の2010年以来で、通算5勝は歴代4位。まさに記録ずくめの快挙だ。
この勝利を捧げたい相手がいる。「そうです、妹が誕生日。意識はしていました」。妹の蘭さんがきょう1日に19歳になった。
2022年「ワールドレディスサロンパスカップ」では、母・有貴さんの46歳の誕生日だった初日に大会記録を更新。完全優勝を達成し、母の日に勝利をプレゼントした。翌年6月「ニチレイレディス」では、父・勝臣さんに父の日Vで恩返し。家族の記念日に勝利を届けてきた“孝行娘”でもある。ちなみに、全英3日目は自身の誕生日だった。
蘭さんは今年8月から米国の大学に進学した。「時差もあるし、きのう電話でおめでとうと伝えました。ビデオ通話をしています、頻繁に(笑)。ちょっとさびしいです。やっぱりかわいいので。12月に会えるので、思いっきり、一緒にどこかにいきたいです」。日本ゴルフ界にとっても、そして家族にとっても、またひとつ忘れられない勝利になった。(文・笠井あかり)
