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UT探しの旅 西村優菜が見据えるメジャー大会のクラブチョイス

「ショップライトLPGAクラシック」会場でUT選びを続ける西村優菜の姿を目撃。その意図は?

配信日時:2023年6月8日 07時05分

<ショップライトLPGAクラシック 事前情報◇7日◇シービューGC ベイC(米ニュージャージー州)◇6190ヤード・パー71>

前週の「ミズホ・アメリカズオープン」では4日間を戦い抜き33位タイだった西村優菜。日本勢最上位で迎えた決勝ラウンド初日の3日目にスコアを落としたが、最終日は盛り返してアンダーパーと攻めのゴルフを貫いた。

そして今週の舞台は先週と同じニュージャージー州だが、コースの様相は一変。先週の優勝スコアが4日間9アンダーだったのに対し、今週は米ツアーで2試合しかない3日間大会ながら、優勝スコアは20アンダーに迫ることも珍しくない。「全然違うコースでフェアウェイもグリーンも軟らかい」と、伸ばしあい必至というコースでの戦い方を頭にたたき込んで本戦を迎える。

月曜日は休養とトレーニングに充て、火曜日に18ホールをラウンド。水、木曜日はプロアマが行われているが西村は木曜日に参加し、水曜日は練習のみの調整となった。打撃、パッティングと行ったが、打撃練習場の大半はユーティリティ(UT)の打ち込みに費やすことに。「ラウンドもできないので、いい機会かな」と、クラブが入った段ボールを二つ抱え、ドライビングレンジへと向かった。

打ち込んでいたのは6番や7番UT。ショートウッドとともに西村の生命線ともいえるクラブだ。距離の長い米ツアーでは、長い番手でグリーンを狙い、さらに止める必要がある。先週はアイアン型の6番UTをバッグインするか悩んだが、今回は日本のキャロウェイ、米国キャロウェイのものを何本も持ち込み、弾道測定器で数字を見ながら感触を確かめた。

西村の今季スタッツを見ると、ドライビングディスタンス(飛距離)は246.13ヤードで147位だが、フェアウェイキープ率は20位。パーオン率も56位と平均を上回る。正確性を武器に、さらにチャンスの回数を増やせば、上位進出も確実に増えてくる。そして今回のUTのテストは、今大会だけでなく、このあとに続いていくメジャーシーズンに向けても効果的だ。

2週後には「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」が名門バルタスロールGCで開催。総距離は6800ヤードを超え、すでにラフも深々としているとの情報が選手にも伝わっている。さらにその2週後にはペブルビーチGL開催の「全米女子オープン」と、難コースが立て続けに待ち受ける。「どういう球が打ちたいとか、どういう球が足りないかを分析したときに、6番アイアンとかを使う回数が多いけど、どうしても球が上がらない。でも手前が使えない、チャンスにつかないというのが多い」と自己分析をしたうえで、打開策を探す。

「今まで戦ってきたぶんと、これからに向けてという感じです」と話すとおり、ここまで過ごしてきたルーキーシーズンのなかで、自身が目指す戦い方は見えてきた。あとはそこに、ベストなクラブをマッチングすること。キャロウェイの米国担当者によれば、「僕らが日本のキャロウェイから取り寄せて、あとはこっち(米国)のものも持ってきた。いろいろ試してもらって、いいものが決まればいい」と西村の米挑戦に、全面バックアップを惜しまない。

決勝ラウンドで攻めのゴルフがしたいと臨んだ先週末は土曜日こそ不発に終わったが、日曜日には最終ホールで12メートルのバーディパットを決めるなど、最後まで諦めずにアンダーパーを記録した。そして今週も「アグレッシブにいきたい」と新たな武器で戦い抜く構え。こうした探究心とトライ精神が、好結果に結びつく日は近いはずだ。(文・高桑均)

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