また、米国のゴルフファンや関係者がTV中継を見ることを考慮し、米国との時差が少ないカナダやメキシコなども開催地の候補に挙げられているのだそうだ。
こうした国々は、日ごろ、PGAツアーの大会やメジャー大会が開催されない場所であり、トッププレーヤーのゴルフを目の前で見る機会が皆無に近い場所でもある。
そうした場所をあえて選んで今後の大会を開催しようとしているLIVゴルフの方針は、例えるなら、これまでサーカスが来たことがない場所にサーカスを持っていこうとしているようなもの。
あるいは、お相撲さんがパリなどへ巡業に行くと、初めて力士を間近で眺めた欧米人から、その大きさや俊敏さ、力強さに驚かれるのと似た状況を作り出そうとしていると言うこともできる。
とはいえ、力士の海外巡業は、本業の「場所」とは別の追加のエンタテイメントや振興事業みたいなものなのだろうが、LIVゴルフの場合は、世界各国への顔見世興行を本業にしようとしていると言えそうだ。それをLIVゴルフの選手たちがどう感じるのかは、大いに気になるところである。
だが、これまではPIFから巨額の支援を得て、大金を湯水のように使い放題だったLIVゴルフが、今はどんなことをしてでも生き残ろうと画策している姿を傍目にすると、それはそれで「頑張れ!」とエールを送りたくもなる。
これまでは「虎の威を借るLIVゴルフ」だったが、現在は地に足を付け、自分たちなりの新たなビジネス展開を真剣に考え始めている。
たとえ規模を大幅縮小してでも、たとえ世界各国を巡るインターナショナル化を強めてでも、存続を目指そうとしているLIVゴルフ。その意欲にほだされて、「よし!」と手を挙げる出資者候補は、もしかしたら今後も出てくるかもしれないと、今、ほんの少し思い始めている。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)
