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井戸木鴻樹が60歳以上の部、伊藤正己が68歳以上の部で日本一に輝く

「日本プロゴルフグランド・ゴールドシニア選手権ユニテックスカップ2025」が行われた。

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2025年9月6日 08時15分

60歳以上のグランドの部は井戸木鴻樹(右)、68歳以上のゴールドの部は伊藤正己が優勝した(提供:日本プロゴルフ協会)
60歳以上のグランドの部は井戸木鴻樹(右)、68歳以上のゴールドの部は伊藤正己が優勝した(提供:日本プロゴルフ協会)

9月4~5日の2日間の日程で「日本プロゴルフグランド・ゴールドシニア選手権ユニテックスカップ2025」(関空クラシックゴルフ倶楽部、グランド6528ヤード・パー72/ゴールド6306ヤード・パー72)が行われ、60歳以上のグランドの部は井戸木鴻樹(63歳)、68歳以上のゴールドの部は伊藤正己(69歳)が優勝した。どちらもキャリアを通じて初めての日本タイトルとなる。

【写真】“元祖”日本一曲がらない男 井戸木鴻樹の秘訣は右ヒジにあり

最終日は悪天候によりスタートが3時間半遅れた影響で、グランドの部がインの9ホール、ゴールドの部がアウトの9ホールに短縮された。

グランドの部は初日にグレゴリー・マイヤー(米国・63歳)が7アンダーとロケットスタートを決めていたが、「ゴルフは何が起こるか分からない」と初日4アンダーの井戸木が、4バーディ・ボギーなしの「32」をマークし、9ホールで3打差を逆転。トータル8アンダーで60歳以上のプロゴルファー日本一に輝いた。

出だしの10番パー4と11番パー3ではパーオンに成功するもバーディパットはカップに沈まず、トップとは3打差のまま。続く12番パー4でピンのニアサイドからのチップインバーディ。これを皮切りに、13番パー4では6番アイアンで80センチ、14番パー4では7番ウッドで1メートルにつけるスーパーショットを連発して3連続バーディを奪い、ついにトップを捉えた。

45メートルの打ち下ろしで左ドッグレッグという17番パー5では、3番ウッドできっちりフェアウェイをキープし、2打目でグリーンの右手前に運ぶと、20ヤードのアプローチを60センチに寄せて4つ目のバーディ。これで1つ抜け出して優勝を決めた。「やっぱり日本タイトルですから気分は良いです。こんな年で日本タイトルを獲れると思っていなかったですから」と63歳の笑顔がはじけた。

最終日の井戸木は、ショットもアプローチも隙がなかった(提供:日本プロゴルフ協会)

最終日の井戸木は、ショットもアプローチも隙がなかった(提供:日本プロゴルフ協会)

ゴールドの部は、会場となった関空クラシックゴルフ倶楽部の所属プロ、中尾豊健(74歳)と伊藤がつばぜり合い。最終日は2アンダーで首位に並んでティオフ。どちらも1番と3番でバーディを奪ってトータル4アンダーまで伸ばし、ピタリと並走する。「これは大変なことになるなと思いました」と伊藤は振り返る。

ところが、7番パー5で中尾が痛恨のトリプルボギーを叩いて後退。伊藤は最終ホールこそ2日間で唯一のボギーとしたが、そのまま逃げ切った。レギュラーツアー時代から何度も挑戦してきた悲願の日本タイトルを、69歳にしてようやく手に入れた。

これまでに2019年と22年の「関西プロゴルフグランドシニア選手権」、24年の「関西プロゴルフグランドシニア選手権」を制し、関西のタイトルは3つ獲得。しかし、日本タイトルとなると、「室田(淳)さんとか、倉本(昌弘)さんとかいっぱい強豪がいる」と、レギュラーツアーでも活躍してきた同世代の高い壁に跳ね返されてきた。

「関西は3回も優勝させてもらったんですけど、日本とつくタイトルは初めてのことで、しかもゴールド(68歳以上)という一番最後のクラスで自分でも不思議です。これでゴルフをやめてもいいと思っているくらい」と、プレー中の真剣な表情とは違う緩みきった顔で喜びを表現する。この勝利を一番伝えたいのは、小学一年生になった孫だ。「ネットを見ているので知っていると思う。帰ったら飛んでくると思います」と、最後はおじいちゃんの顔になった。

伊藤正己は2日間でボギーは1つだけと安定感が光った(提供:日本プロゴルフ協会)

伊藤正己は2日間でボギーは1つだけと安定感が光った(提供:日本プロゴルフ協会)

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