<コマツオープン 事前情報◇30日◇小松カントリークラブ(石川県)◇6919ヤード・パー72>
前戦の「日本シニアオープン」で今季3勝目を飾った宮本勝昌が、ディフェンディングチャンピオンとして小松カントリークラブに1年ぶりに立つ。今大会では、大会連覇と3週連続優勝がかかる。さらに、優勝副賞となる『コマツ ミニショベルPC20MR-5』の2台目獲得も狙う。
コマツは、建設機械の分野で世界第2位のシェアを誇るグローバルメーカー。そんな世界的メーカーの重機を副賞として手にできるのも、この大会ならではだ。
昨年、実際にミニショベルを手にした宮本は、「免許を調べて、(取得へ)行きかけたんですけど、思ったよりも日数がかかるらしくて、夢はかなわず…」と明かす。自身で操縦することは諦め、別の形で活用することにした。
「長野の知り合いの社長さんに譲ってほしいとのことでお渡ししました」。長野県にある産業廃棄物処理施設へ寄付したという。シーズン中は試合のスケジュールの関係で、まだ見に行けていないが、落ち着いたら現地を訪れる予定だ。
では、過去にこのミニショベルを手にした選手たちは、その後どうしているのか。これまでの大会覇者に“その後”を聞いてみた。
2022年大会覇者の深堀圭一郎は、「お世話になっているゼビオグループの社長、諸橋(代表取締役、諸橋友良氏)さんのところにいます。諸橋さん関係のところで可愛がってもらっています。福島県で使われているみたいです」と明かした。自身の手元に置くのではなく、日頃からお世話になっている人へ贈ったという。
2024年大会覇者の平塚哲二も、「知り合いの建設業さん」へ贈ったという。「コマツの機械ってすごく貴重で、注文しても(届くまでに)一年以上かかったりするらしいです」。簡単には手に入りにくいものだからこそ、周囲から「欲しい」と言われることも多いという。
そんななか、“どうしても欲しい”という強い思いを抱いている選手がいる。「指令がありまして」。国内シニアツアーメジャー1勝の増田伸洋が、笑顔で切り出した。
その“指令”とは、長男・康輔さんが研修生をしており、自身も練習に通う平川カントリークラブ(千葉県)の社長からの『獲って来い』という言葉だった。「シニアに入って何年も言われているので、頑張って獲って、平川CCに贈りたいと思います」と力を込めた。
今年は千葉県で洪水の被害があり、平川CCもその被害を受けた場所の一つだった。「今年は特に、贈りたい気持ちが強いです」と、気を引き締める。
選手たちが手にするのは、単なる優勝副賞ではない。誰かのもとへ渡り、実際の現場で使われ、時には被災地の復旧にも役立つ。そんな“その後”まで含めて考えると、このミニショベルには特別な意味があると感じた。
今年、優勝者の手に渡るミニショベルは、どこで、誰のために使われるのか。“その後”も追っていきたい。(文・高木彩音)
