全英覇者の競演は桑木志帆が一歩リード 身につけた新武器は「内緒です」
<ソニー 日本女子プロゴルフ選手権 初日◇10日◇片山津ゴルフ倶楽部 白山コース(石川県)◇6755ヤード・パー72>
「内緒です」。前半18番、グリーン右手前のラフからの3打目を、9ヤード先のカップに直接沈めた。技ありのチップインバーディ。厄介な深いラフの攻略法を質問すると、桑木志帆はいたずらっぽく笑った。
「(ボールは)完全に埋まっていましたね。打ち方ですか? ふふっ…。今までとはちょっと違う。初めての打ち方です。イメージ通りに打てました」
練習ラウンドで日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のティーチングプロ資格を持つ岩本砂織コーチに、沈んだラフからのアプローチを伝授された。「そのあとに練習場でもやっていました」。“秘密兵器”を初めて実践した12番は、ピンまで22ヤードをピンそば90センチに寄せた。納得のパーセーブに手ごたえありだった。
「12番は48度、18番は58度のウェッジ。出球を意識してやっています。12番でうまく寄せることができたので、18番は自信を持って打てました」
「AIG女子オープン」(全英)に続くメジャー連勝を目指す4日間のスタートは、6バーディ・2ボギーの「68」で4アンダー。13番でボギーが先行したが、残り86ヤードの3打目をピンそば1メートルにつけた14番パー5から3連続バーディ。8番をボギーとしたあとの最終9番もバーディで締めた。
「ボギーのあとにすぐバーディを獲れたのはよかった。1日2アンダーが目標だったので、いいラウンドでした。風が強くて、最初は番手が合わなかったけど、4アンダーにまとめられてホッとしています」
米ツアーから一時帰国した山下美夢有との予選ラウンド。日本ツアーでは24年「マスターズGCレディース」3日目以来の同組だが、今年と昨年の「全米女子オープン」でも同じ組になっている。今年と昨年の全英覇者による豪華競演。大勢のギャラリーが見つめるなかのラウンドは学びもあった。
「美夢有さんはテンポがすごくいい。リズムが一定で、そこは参考にしながら回らせてもらいました」
日本勢最高の世界ランキング6位の山下に初日は3打差をつけて滑り出した。単独首位でホールアウトし、午後組の選手にその座を渡したが、好位置につける。
「初日はすごく大事。いいスタートが切れたので、あまり不安はないですね。でもコースが難しいので、1ホール1ホールです。ボギーは仕方ないので、ダブルボギーを打たないマネジメントをしていきたい」。年間女王に大きく前進する今季3勝目&2度目の国内メジャー制覇に向けて、今の桑木は自信と勢いにあふれている。(文・臼杵孝志)
