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「あまり伸びしろはないかもしれないけど(笑)」 川岸史果は苦難乗り越え6年ぶり、涙の2勝目

6年ぶりの優勝で涙。川岸史果が苦しい時期を乗り越え、ようやく通算2勝目を手にした。

所属 ALBA Net編集部
笠井 あかり / Akari Kasai

配信日時:2023年6月5日 08時00分

母と二人三脚。ようやく一緒に優勝カップをつかむ日が訪れた
母と二人三脚。ようやく一緒に優勝カップをつかむ日が訪れた (撮影:上山敬太)

<リシャール・ミル ヨネックスレディス in 朝霧 最終日◇4日◇朝霧ジャンボリーゴルフクラブ(静岡県)◇6687ヤード・パー72>

「長かったぶん、苦しい時期もあったけど、また優勝できて本当にうれしいです」。27ホールの超短期決戦を制したのは、28歳の川岸史果。2017年の「マンシングウェアレディース東海クラシック」以来となる、6年ぶりのツアー2勝目を飾った。

トータル9アンダーで並んだ20歳・佐久間朱莉とのプレーオフ。ティショット、セカンドショットとフェアウェイを歩き、残り77ヤードからの3打目を1.5メートルにつけてこれを決めた。右手のこぶしを何度も握りしめると、すぐに涙が頬を伝ってきた。

2016年のプロテストに合格し、ツアー通算6勝を誇る“怪物”川岸良兼の次女として注目されてきた。いまはキャディを務める母・麻子さんもプロゴルファーだ。鳴り物入りでプロデビューを飾り、翌17年にはツアー初優勝。賞金ランキング7位にも入ったが、そこから苦しい時期が始まった。

18年からドライバーショットが絶不調になった。「調子が悪くて、人(ギャラリー)に当ててしまうんじゃないか」と振り返るほど。ドライビングディスタンス257.45ヤードでツアー2位(17年)につけていた持ち味が、恐怖にかわる。「18年にシードを落として、(下部の)ステップ・アップ・ツアーに戻って、あとコロナの時期があって…。いろんなことがありました」と自信も喪失していたが、周りのサポートを受けながら、昨年シードに復活。レギュラーツアーに戻ってきた。

つらいことがあっても、川岸は「相談するタイプではない」。ひとりで頭を巡らせながら、試行錯誤を繰り返した。それでも家族がそばで支え続けた。「やっと“お待たせしました”っていう感じもありつつ、感謝もありつつ」。母・麻子さんがバッグを担ぐようになり、これが初勝利。ウイニングパットを沈めた瞬間、母と娘は無言で抱き合った。「言葉はなかったですけど、お互い思っているものがあって…」と、これまでの二人三脚を思い出すと声を震わせる。

「多くは語っていないので見守っている感じ」という父へは、「私の前よりは、他の人の前で喜んでいると思う(笑)。いい報告ができてうれしいです」。同じ空間で勝利を共有できなかったが、よろこぶ気持ちは一緒だろう。

今季も21歳の女王・山下美夢有がランキングトップを走り、岩井明愛・千怜のツインズが躍進するなど、若手の活躍が目立つ。「みんなうまいので、その荒波に飲まれないように、必死に頑張っています」。今季ここまでは、キャリアハイの17年に近い好成績。ここからさらに上を目指していく。

「初優勝のときと全然気持ちは違う。中堅、ベテランになってきているので、あまり伸びしろはないかもしれないですけど(笑)。なるべく稼いで、優勝を積み重ねていけたらなと思います」。プレーオフのときにぱらついた小雨は最後には止み、背中にそびえる富士山は頂上までクッキリと見えた。27ホールの超短期決戦は、6年分の長い苦難を乗り越えた勝利だった。(文・笠井あかり)

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