<CAT Ladies 初日◇21日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6657ヤード・パー72>
2023年にツアー初優勝を挙げた場所で、通算2勝目を手にすることになるかもしれない。プロ11年目の蛭田みな美は、5アンダー・3位という上位発進にも普段と変わらないほんわかムード。「ショットがすごくまとまっていて危なげなかったです」と、プレー内容に満足そうな表情を浮かべる。
昨年はメルセデス・ランキング53位に終わり、50位までが得られるシード権を喪失。同55位までの前半戦出場権は手にしたが、春先から予選落ちの文字が目立ち、なかなか調子が上がらない時間が続いた。第1回リランキングは43位と、出場優先順位も大きく下がったが、7月の「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」の9位や、2週前の「北海道meijiカップ」で8位になるなど、気温が上がるにつれ、順位も上昇している。
練習での工夫も効果が表れつつある。「練習ラウンドでパー5を想定して、毎ホール100ヤード以内のショットを打つようにしています」。パー4のホールでも、セカンド地点から1球打った後に、グリーン方向へ歩き、パー5の3打目を想定した位置から、必ずもう1球打つことをルーティン化している。
今大会開幕前のパー5平均スコアは『4.8292』の48位だが、これもこのメニューを取り入れた6月から改善したもの。「パー5の3打目が全然、寄らなかった。だいたい4つあるし、そこが上位に行くか、行かないかのカギになると最近思いました」と、自ら考えた練習法を黙々とこなしている。「60ヤード、70ヤードのような距離をランダムにやっています」というのがポイントだ。
「チャンスにつき始めたのは実感しています」。この日も9番、15番と2つのパー5でバーディを記録。9番は残り68ヤードの3打目を3メートルにつけ、「直角に曲がった」という難解なラインをねじ込んだもの。15番は残りが118ヤードあったため9番アイアンで狙ったが、これも1.5メートルについた。
CAT Ladiesと言えば、優勝副賞に重機が懸けられていることでもおなじみ。今年は除雪などで力を発揮する『ミニホイールローダ』が贈られる。3年前に優勝した際にはショベルカーをゲットしたが、この作業車が蛭田家にとっては“即戦力”となっている。
「今回のミニホイールローダが、めちゃくちゃ欲しいって思ってます。うち(実家)に農地とかがあって、そこを整地しないといけない。今は祖父が作業していて、40年くらい使っているミニホイールローダがあるんです」
福島県東白川郡鮫川村にある蛭田の実家では、現在は家庭菜園などに利用されている土地があり、ショベルカーが届いてから父の宏さんが、そこで道を作るなど作業している。副賞が届いた当時、父の笑顔も忘れられない。「村なので0円みたいな土地なんですけど」と笑うが、11年3月11日の東日本大震災前までは、牛舎も所有していた蛭田家はその土地をいじるのが、今もライフワークになっている。
初優勝は「ラッキーな部分もあった」とも振り返る。あれから3年。苦しい時期を乗り越え、ここで再びの家族孝行といきたい。(文・間宮輝憲)
