<富士通レディース 事前情報◇14日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6717ヤード・パー72>
2週間前の「日本女子オープン」で桑木志帆とのプレーオフを制し、史上初のメジャー4冠&永久シードを達成した申ジエ(韓国)が“らしくない”。快挙の余韻からなかなか抜け出せず、この1週間を過ごしていた。
「早く切り替えたかったんですけど、ちょっと難しかったですね。本当に貴重な優勝だから、うれしい気持ちを持ち続けていました」。偉業達成後、初のツアー参戦。会場では多くの人から「おめでとう」と祝福されている。今回ばかりは無理もない。
日本女子オープンの表彰式や各種対応を午後9時に終えても、興奮は冷めやらなかった。まずは、優勝恒例となっているご褒美の「コーラ1杯」で乾杯。チームで食事を楽しみ、雨でずぶ濡れになった用具を整理して、ようやく布団に入ったのは深夜2時ごろだった。
3時間ほどの睡眠で翌日は東京に移動。「周りのみなさんも待っていた優勝だったので、スポンサーさんとかいろんなところにあいさつに行きました」。水曜日には韓国へ戻り、家族とのパーティーを楽しんだが、同時に「カウントできないくらい」の取材を受けるなど大忙し。4日間の滞在はあっという間に過ぎていった。
「雨の後で体はとても疲れたけれど、一番うれしい優勝だったから、2日間は寝られなかったですね。でも、やっと一番大きい山を越えました」。日本ツアーに本格参戦して13年。元世界ランキング1位が「初めて」といううれし涙を流した勝利は、何物にも代えがたいものになった。
優勝会見では「これから次の目標を考えても遅くはない」と話していた。それは一体、何になったのか。
「とてもいい勝負をしたから、またそんないい勝負をしたい。目標というより、早く優勝したい気持ちが強くなりました。優勝は『クセ』だと思う。この気持ちを忘れないうちに、また優勝したい」
大記録を打ち立ててもなお、38歳のモチベーションはさらに高まっている。(文・笠井あかり)
