<資生堂・JAL レディス 3日目◇4日◇戸塚カントリー倶楽部 東コース(神奈川県)◇6487ヤード・パー72>
昨年のプロテストに合格したばかりの98期生、前多愛(めぐ)にルーキー初優勝一番乗りのチャンスが訪れた。首位と6打差の60位タイから出た第2ラウンドは、ツアーでの自己ベストとなる7バーディ・ボギーなしの「65」をマーク。首位と2打差のトータル8アンダー・5位タイに浮上した。
ツアーデビュー戦は、4月の「ヤマハレディースオープン葛城」。ここまで10試合に出場して半分は予選通過。しかし、60台で回ったのは先週の「EARTHMONDAMIN CUP」の最終ラウンドの「68」が初めてだった。
この日はツアーでの自己ベストを3打更新する会心のラウンドとなった。「プロになって先週やっと60台が出て、そのときすごくうれしかったんですけど、きょうはこんないいスコアで回れると思っていなかった」と白い歯を見せて喜びを表した。
60台が出せるようになった要因の一つがパッティングだ。「いままでハンドファーストに打てなくて、それを意識したらボールの転がりがよくなりました」。ヘッドよりも手元を先行させる形を意識することで、この日も25パットと好スコアをたたき出した。
前多は2002年生まれの23歳。昨年は6度目のプロテスト挑戦で合格。一時はティショットの不調に悩まされたが、昨年は25歳以下のプロテスト合格を目指す選手たちが出場する「マイナビネクストヒロインツアー」で腕を磨き、自信をつけた。「6度目は長かったですね。いまこうやってレギュラーツアーに出場できていることも、去年の自分では考えられないこと。何度も折れかけましたが、あと1年がんばろうって決めて、去年合格できました」と、いまの自分の立ち位置に驚きも隠せない。
クラブ契約フリーの前多のキャディバッグを覗くと、古いクラブが並ぶ。「昨年のプロテスト合格時とほぼ同じです」という信頼の14本。アイアンは2021年モデルのミズノ『MizunoPro 225』が7番から入っているが、絶大の信頼を置くのが、ユーティリティだ。
実使用は6年ちょっとだが、2015年発売モデルのタイトリスト『816H1』が3番から6番まで4本入っている。「構えた感じも安心感ありますし、打感も大好きです。グリーンで止めたい時と飛ばしたときと、コントロールも操作性も高いです。本当によく打つクラブです。他のクラブもテストするのですが…なかなか」と、飛ばし屋の部類に入らないだけに前多の生命線ともいえる。
27度の6番ユーティリティは、家にキープしてあったものを6番アイアンの代わりに今週から投入したものだが、今大会では使う場面が多く、スコアメークの支えになっている。
プロテスト合格時には、「愛とかいて“めぐ”と読むのを覚えてもらいたい」と話していた。生まれは米国で、アルファベットの本名は「MeguではなくMegです」とも付け加えた。レギュラーツアーで10試合戦い、「めぐちゃんと呼ばれるようになってきてうれしいです」と徐々に浸透してきた。
今大会で優勝争いにしっかり加われれば、「あい」ではなく「めぐ」というのもさらに認知される。「最終日は順位を気にせず、1打1打に集中して頑張りたい。それに結果がついてきたらうれしいです」。98期生の初優勝一番乗りも夢ではない。(文・小高拓)
