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「物理学を学びたい、クラブメーカーを作りたい、コースを設計したい…欲張りですかね(笑)」ルーキーの肖像〜 植竹希望

勝みなみら黄金世代の多くが合格した2017年LPGAプロテスト。近年で最も注目された今年、難関を突破した22名の個性を紹介する(取材・文/標英俊)

配信日時:2017年11月3日 09時00分

植竹希望にとって、2013年『スタジオアリス女子オープン』は人生を変えた試合だ。

「いまでも一打一打鮮明に覚えている。記憶に残っているのはそれだけ大きな経験だったということですかね」。14歳で初めて出場したプロツアーで、2日目を終えて、1打差の3位タイ。4歳でゴルフを始め、宮里藍、横峯さくらをテレビで見て、"自分もああなりたいな"と漠然と思っていたが、それが中学3年の春に突如、現実として訪れた。

2日目ホールアウト後は、一室を用意され、座りでの記者会見。ペアリングデータが残る2002年以降では最年少での最終日最終組入り。もし優勝すれば14歳259日で史上最年少(※当時の最年少記録はキム・ヒョージュの16歳332日)。メディア、ギャラリーから最も注目を受ける立場となった。

ジュニアの試合では緊張したことはなかった。むしろ緊張感がなさすぎて集中できていないことが課題だった。「人見知りがひどかった」が会見は意外と平然とこなせた。だが最終日の朝になって、体験したことのない重圧がのしかかってくる。

「やっと優勝争いしていると自覚して…。緊張でトイレに篭ってしまった。人に見られるのがもともと得意ではないなかで、初めてのプロツアーでああいう展開になった。吐き気がするくらいの緊張感でゴルフをしたのが初めてでした」

前半"41"を叩いても、後半は1ボギーで耐えるなど必死で戦った。結果は"78"で19位タイに後退したが、同大会は植竹家のターニングポイントとなった。

「両親はゴルフを本気でやらせるつもりはなく、私も勉強が嫌いではなかったので、高校、大学と進学させることが希望だったらしいです。ゴルフをやってもいいけど、職業にすることはない、と。でもスタジオアリスが終わってからは、"好きなほうにいきなさい。2日目も楽しそうに回っていたし、最終日も緊張していたのは分かったけど、がむしゃらに頑張っていたのが目に見えてわかったから…"と言われて。私もプロの道へ進むために高校は通信制を選択しました」

高校時代は困難がいくつも訪れた。高校1年の頃には腰を痛め、右手首の疲労骨折もあり、ろくにクラブを握れない時期があった。また高校3年時には食物アレルギーで呼吸困難にもなった。いまでも食事には注意を払う毎日で、一人で遠征する際は、炊飯器を持ち込み、朝・昼用のおにぎりを自ら握っている。

それでも生来の勉強好きが、逆境を跳ね返す力になっている。怪我をしている時期に、いまも指導を受ける野澤むつこプロにかけられた言葉が胸に残る。「"ネガティブなことはあまりいいたくないけど、プレーヤーとして戦うことだけが人生ではない。引退後のことも想像しておいたほうがいい。死ぬまでに自分がやりたいことを達成できればいいのだから…"と言われて考えるようになりました」。

まず自分の役に立つと思ったのは、体の仕組みを覚えること。「"この骨を支えるなら、どこの筋肉を鍛えたらいいか?"などを勉強し始めたら、楽しくなってきて。知っていて損はないことは覚えようと」。師匠の野澤氏は工学博士を持つ"博士プロ"だけに物理学とゴルフを結びつけた指導をしているが、その姿勢にも感銘を受ける。「将来は何歳になったとしても大学で物理学を勉強したいな、と思えるようになりました。怪我が多かったのでトレーナーの資格を取ってみたいと思いますし、クラブに迷う気持ちもわかるので自分のメーカーも作ってみたい。ゴルフコースの設計もしたい。ゴルフに関係あるものは全部チャレンジしたい。欲張りすぎですかね(笑)」。もちろん、まずはプロ1年生としてゴルファーとしてのキャリアを積み重ねていくことが第一だが、ゴルフに絡むすべてに興味を持つことはプレーヤーとしての幅につながることだろう。

何事にも没頭するタイプであることは、趣味にもあらわれている。「美術だけは成績が良かった」と風景画を描くのが得意。写真で撮った風景を模写するが「水彩色鉛筆で下書きして、8Hとかすごく薄い鉛筆で書いていきます。時間があれば絵の具で色付けも」。また最近は将棋にハマッており「ゴルフも将棋も逆算。先を予測する思考が共通すると思っています」と2年前から少しづつ腕を上げ、いまはインターネット対戦で上級者と対局できるようになったが「オフの日にやってみたら、1局5時間くらいかかったんです…」と気軽には出来ないのが悩みなのだとか。

「人見知りで人とワイワイするのは苦手。ずっと目を合わせて話せなかったのですが、最近やっと改善できてきました」と、今年になって意識的に社交的な姿勢をとれるようになったが、キッカケは今年5月にスポンサー関係のラウンドで、古田敦也氏とプレーしたこと。

「"もっとハキハキしなさい!" "堂々としなさい!" "少しでも見栄を張りなさい!" "試合で大暴れしなさい!" "芯を持たないと潰れるよ!"って、気合を入れるように、私の背中をバンバンと叩きながら言って下さって(笑)。いままでいろいろな人に言われてきたことですが、もっとしっかりしなきゃって改めて思いました。やっと克服できはじめたような気がします」。

植竹希望 プロフィール

●所属/フリー
●出身地/東京都
●出身校/日出高等高校(東京都)
●生年月日/1998年7月29日
●身長/167cm
●体重/57kg
●血液型/O型
●ゴルフ歴/4歳〜
●得意クラブ/アイアン全般
●1W平均飛距離/250ヤード
●プロテスト受験回数/1回目
●趣味/読書、絵画
●特技/水泳
●好きな色/青、緑
●目標とするプロゴルファー/アダム・スコット

●ファンへのメッセージ/

アイアンショットが得意。毎日のようにショートコースを回っていた時期があるので、ウェッジも好きなんです。ティショットが曲がっても、林のなかからピンを狙っていくリカバリーショットで沸かせたいと思っているので、見ていただきたい。調子が悪くても、つねに笑顔でプレーしたいと思っています!

●地元自慢してください!/

育ったのは東京・葛飾ですが、柴又帝釈天には足を運んで欲しいです。柴又あたりの和菓子はおいしいお店が多いです。寅さん、こち亀…はみなさん知っていますよね?

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