白熱のシーズンが終わった国内女子ツアー。今季全36試合を振り返り、大会ごとに印象に残った“1シーン”を紹介する。
■アース・モンダミンカップ(6月20~22日、千葉県・袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース、優勝:入谷響)
全てのパー3に高額賞金が設定された今大会で、2日目に“快挙”が生まれた。1000万円がかかる15番で小野祐夢、600万円の9番で仁井優花がホールインワンを達成。今大会でエースを決めたのはこの2人のみで、それぞれ“満額”を獲得した。
実測182ヤードの15番。小野はインスタート序盤での修正が、最高の結果につながった。「やっとピンに飛んで行ったのでホッとしてティを拾っていたら入りました」。この日はショットが捕まり気味で、「上体が強すぎるね」とキャディと話し合い、下半身主導を意識して迎えた一打だった。
予選カットライン付近でのプレー。結果的に1オーバー・48位で決勝ラウンド進出を果たし、価値ある“1000万円ショット”となった。使い道はすでに決まっている。
「1月ぐらいから計画していて、だんだん具体的になってきたんですけど、お金が準備できていなくて止まっていたんで…」
3匹の愛犬のため、1階が駐車スペース、屋上にドッグランを備えたガレージ建設を予定しているという。
一方、池が絡む難関9番でエースを決めたのが仁井優花だった。実測158ヤード。7番アイアンで放った一打が、そのままカップに消えた。
「それまで流れが良くなくて、予選を通るためにも思い切ってピンを狙っていこうと思って、完璧なショットが打てました」
この日はバーディが一つも奪えない苦しい展開。それでも高額賞金がかかる今大会ならではの意識が、迷いを消した。「初日からパー3ではショートするクラブで打たないようにしていました」。実は後半15番でもピンをかすめるショットがあったという。狙っていたからこそ生まれたエースだった。
トータル3オーバーでホールアウトし、カットライン付近で後続を待ったが、結果は1打届かず予選落ち。それでも600万円という“確かな成果”を手にした。
