<日本女子オープン 最終日◇4日◇宝塚ゴルフ倶楽部 旧コース(兵庫県)◇6185ヤード・パー70>
アマチュアではないが、下部のステップ・アップ・ツアーも含めて試合に出られる日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の会員でもない。いわゆる“宣言プロ”の選手たちにとって、日本ゴルフ協会(JGA)が主催する日本女子オープンは予選会経由で出場できる可能性がある唯一のツアー競技だ。
「目標は予選通過だったので、決勝ラウンドは楽しんでやろうと思いました。きょうは雨が強かったので、とにかく耐えようと思ってプレーした。それができれば順位は勝手に上がるかなと。ボギーが先にきたけど、すぐに取り返すこともできた。そういうところは少し成長したかなと思います」
試合に出るのはアマ時代の2024年「大王製紙エリエールレディス」以来2年ぶり。プロテスト挑戦中の22歳の田中こころは23位で、4年ぶり2度目の国内最高峰大会を終えた。
試合に出られる喜びを感じた4日間はカットラインちょうどのトータル4オーバー・48位で予選を突破し、3日目は初のアンダーパーとなる「69」をマーク。24位から出た最終日は4バーディ・5ボギーの「71」と1つ落としたが、メジャーの難しいセッティングでトータル4オーバー。これからもゴルフを続けていく自信を手にいれた。
「本当はこの試合を最後に区切りをつけようと思っていました。今年もプロテストに落ちて、『じゃあまた来年』という奮い立つ気持ちになれなかった。ゴルフとは関係ない普通の生活をしようかなと…。でも、女子オープンという大きな大会で結果を出せた。合格を目指して、来年も頑張ります」
岐阜市出身。岐阜聖徳学園大2年時の23年に初めて挑戦したプロテストは、2次予選で敗退した。24年は1次で敗退。25年は6位で2次予選に進んだが、2打及ばず最終予選には進めなかった。今年も9月の2次で失敗。「初日に叩いたときは大泣きしました。なんでテストになったら、うまくいかないの…」と心は折れた。
JLPGAのトーナメント規約の改定で、19年からJLPGAの会員以外はツアーに出場できなくなった。会員になるには原則、プロテストに合格するしかない。アマチュア資格を昨年、放棄してプロ活動している田中にとって、今週はJLPGAの公式記録に残らないプロデビュー戦でもあった。
今大会に“宣言プロ”は7人が出場し、田中を含めて3人が決勝ラウンドに進んだ。初賞金もゲット。JR岐阜西駅近くで両親が営む居酒屋「炉ばた 田(でん)」を今も手伝っている看板娘は「賞金はいろいろとお世話になっている親に何か恩返しがしたい」と笑った。
「私のような人はたくさんいる。来年こそテストに合格して、何年もかけてプロテスト合格を目指している人たちの希望のような存在になれたらと思います」
プロテスト合格は「夢」ではなく、実現できる「目標」と実感した充実の一週間となった。引退は撤回。もう迷いはない。(文・臼杵孝志)
