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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】ルール適用に忖度(そんたく)はいらない

【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】ルール適用に忖度(そんたく)はいらない

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2018年5月8日 21時18分

国内メジャー初戦は最終日最終組全員にスロープレーの警告が…
国内メジャー初戦は最終日最終組全員にスロープレーの警告が… (撮影:佐々木啓)
大激戦となったシーズン最初の公式戦、ワールドレディスサロンパスカップ。申ジエ(韓国)が最終日17番の第2打でスーパーショットを放ち、イーグルを奪い逆転優勝。元世界ランクナンバー1の貫録を見せつけた。

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だが、その裏側で後味の悪さを残したのが、スロープレーでの警告劇だ。優勝争いを繰り広げる申、鈴木愛イ・ジョンウン6(韓国)の3人がいる最終組が、途中、警告を受けていたのだ。井上奈都子競技委員長が説明する。「最終組は前半から遅れ気味で、前の組と開いたり追いついたりしていました。途中、前の前の組が遅れた影響で追いつきましたが、9番でまた前の組と1ホール以上開いてしまったので、10番ティグラウンドで(注意を促す)イエローカードを出しました。後半は競技委員が同行して計測していたところ、3人それぞれ(規定をオーバーする)バッドタイムがありました。申さんは12番の4打目、鈴木さんは13番の2打目となるファーストパット、イさんは14番3打目です。ですから、誰か1人ということではなく、3人それぞれに警告を出しています」。

今年から厳しくなった日本女子プロゴルフ協会(LPGA)のプレーのペースに関するガイドラインでは、著しい遅れが見られたときにイエローカードを提示し、計測の可能性があることを選手に伝える。1打当たりに使用可能な時間は昨年までの50秒から40秒(その組の中で最初にストロークする選手は従来通り50秒)に短縮。これを越えるとバッドタイムとみなす。バッドタイム1回目で警告、2回目で1罰打、3回目で2罰打、4回目で失格となる。

今回は、3人とも1回の警告のみにとどまったが、プレーのペースとしては本当に時間内だったのだろうか?罰打に当たるまでの選手はいなかったのか。実は、ここに“グレーゾーン”が存在する。

「トラブルショットや強風、グリーンが硬いなどのコンディションの違いなど、四角四面ではなく考慮することがあります。そこは言葉にして説明できない現場判断です」(井上競技委員長)という部分だ。確かに、コンディションやトラブルの度合い、優勝争いなどの局面で考慮の余地があるのは仕方なく、個々を考慮するのは“世界基準”。だから、LPGAの規定にも「特別な事情がないのに下記定義(スタート時の前の組との間隔が著しく開いた場合など)に該当する場合、その組はアウトオブポジション(その組が進行上の正しい位置から外れた状態)とみなされ〜」とある。この特別な事情についても「例えば時間を要したルーリング・紛失球・アンプレヤブル・誤球などをいう」とある。しかし、特別な場合、というのは忖度(そんたく)が生まれる余地もあるということでもある。

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