<ソニー 日本女子プロゴルフ選手権 初日◇10日◇片山津ゴルフ倶楽部 白山コース(石川県)◇6755ヤード・パー72>
アマチュア選手のひとりとして、2015年に今回と同じ片山津で開催された「日本女子オープン」に出場していた永井花奈。この時は18位と好成績を残しているが、当時のことは「何ひとつ覚えてなくて」と苦笑いを浮かべる。「回ったら思い出すかなって思ったんですけど、新鮮な気持ちで練習ラウンドもしていました」。さらには「その時はあまりゴルフに興味がなくて、あまり考えてなかった」とも話し、笑いを誘う。ただ、好相性なことに変わりはないようだ。
その翌年の16年にプロテスト合格を果たし、プロ11年目の今年は7月の「ミネベアミツミレディス 北海道新聞カップ」で8年256日ぶりとなる通算2勝目をつかんだ。現在メルセデス・ランキングは5位。好調なシーズンを過ごしている。もちろん、今では「すごくゴルフに向き合って、自分自身考えているかなって思ってます」というが、それゆえ“メジャー大会”というものに先入観も植えつけられていた。
選手権は、過去に10度出場して予選落ちが7度。「ミスしているイメージしかない」という苦手な大会だ。ただ、初日はスタートの1番パー5で、残り86ヤードの3打目をカップ横2メートルにつけてバーディで滑り出すと、3番の6メートルや15番の7メートルなど長いパットも決めながら、6バーディを奪った。しかもボギーはなし。難関の最終18番も2打目を70センチにつけてバーディで締めくくり。首位と1打差の6アンダー・2位で滑り出した。
毎年コースが変わる大会ではあるが、永井はこの変化について「メジャーへの準備という言葉を履き違えていた」と話す。そして、こんな思考について語る。
「メジャーや難しいコースは、“成功する確率”が簡単なコースに比べると下がるけど、それを成功し続けないといけない。例えば、曲げた場所からうまくいく確率が30%だったとすると、それを成功し続けるのは難しい。一番、成功する確率が高いショットはティショットだと思う。60~70%はフェアウェイをキープするなら、それを成功させ続けることが大事。そこに一番、重きを置いて集中しました」
実際、初日の永井はフェアウェイキープ率85.7%(12/14)を記録。それに伴い、パーオン率も77.8%(14/18)と高水準の数値になった。深いラフから出すための準備をするのではなく、確実に高い確率のプレーを射止めるための準備を進めたというわけ。「そのための練習は何が必要かということに踏み込みました」。あとはティグラウンドで集中力を研ぎ澄ました。
「(15年は)飛ばなかったから曲がらなかったし、他の長いコースよりは回りやすかったのかなと思います。プロになってからいろいろ考えるようになったので」。“無心”で回れた時期は過ぎたが、今はその“考え方”を武器にプロの世界を渡り歩いている。
メジャー優勝への想いについて聞かれると、「え~、下手だから獲れないと思ってる」と回答。だが、その後にこんな気持ちを続ける。「獲れたら、うまくなってるんだなと思えるから頑張りたい。いいゴルフができたら獲れると思うから、獲りたいですね。うまくなりたいので」。2日目からも最適解をはじき出し、ビッグタイトル獲得への確率を上げていきたい。(文・間宮輝憲)
