【連続写真】トップの“間”で飛距離と精度を両立!堀琴音の連続写真(10枚)
堀のスイングで特徴的なのは、クラブを大きく振り上げた高いトップ。ここに堀が細身でも飛ばせる秘密があると辻村氏は話す。「高いトップを作ることで、重力を最大限に利用することができます。クラブを“下ろす”のではなく、クラブと腕の重さを使って“落とす”イメージですね。ダウンスイングでスムーズにヘッドが加速するので、効率よくボールを飛ばせるのです」
また、辻村氏が注目するのはトップの“間”。ルーキーイヤーとなった15年に比べて大きく向上した点だと強調する。「以前の堀プロは、切り返しのテンポが速く、打ち急ぐ傾向がありました。これだと、クラブが外から下りるので、ヘッドは走りません。しかし、16年は切り返しで腕を脱力させることで、トップの“間”を作れるようになりました。これによってダウンスイングの軌道が安定し、飛距離と精度を両立することができたのです」
このようなスイングの技術的な裏付けがあるから、堀はアグレッシブにピンを狙っていける。「堀プロはジュニアの頃から、攻撃的なゴルフをする選手でした。ピン位置が左右に振られていても、果敢にチャレンジする。だからこそ、ショットの精度を追求し、完成度の高いスイングを身につけられたのです。メジャーや米ツアーなど厳しいセッティングの中でこそ、堀プロの強みが出てくると思います」。プレッシャーのかかる場面でも、ゆったりしたテンポで安定したショットを繰り出せるからこそ、大舞台で結果を残せているのだ。
「パーオン率8位という成績が実証するように、ショットのレベルはツアーでも上位。来季飛躍するための課題は平均パット数46位に終わったパッティングになるでしょう」と辻村氏。チャンスをものにするパッティング技術を身につければ、悲願の初優勝、そして、年間複数回優勝も見えてくる。