同組の一ノ瀬、金ナリ(韓国)がバーディパットを外して迎えた自分の打順。ここで藤田は迷わずパターを手にした。「カップの手前で曲がるようなことはしたくないな」と気持ちを引き締めたときに、あることが頭をよぎる。「そういえば今日、下りのフックラインを外してない」。
この日奪ったバーディはすべてが下りのフックライン。今から打つのも同じようなラインだった。「気持ち悪い感じはしない」。そうして放った一打は、導かれたようにカップへ吸い込まれた。史上初となるファイナルQT1位&新人戦優勝で鳴り物入りした大物が見事2年目で栄冠を手にした。
ウイニングパット後のグリーンでは涙を浮かべていたが、優勝インタビューでは「複数回優勝したいです」とすぐさま次の目標に目を向けていた。「今は海外は考えていません。迷うことなく2勝目、3勝目を挙げていきたい」。20歳の美人ゴルファーは次のなる目標に突き進む。