<JLPGA新人戦 加賀電子カップ 最終日◇12日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6525ヤード・パー72>
初日から首位を守っていた現役高校生プロの伊藤愛華(埼玉栄高3年)は、4バーディ・7ボギー・1ダブルボギーの「77」とスコアを崩し、トータル4アンダー・2位に終わった。プロ初戦で悔しい経験をしたが、来年につながる貴重な経験にもなった。
2位と2打差の単独首位で迎えた最終日。「パットのタッチが合わなかった」と2番、4番で3パットのボギーを喫するなど、前半を終えた時点で藤本愛菜に逆転されて3打差の2位に後退した。しかし、11番からは3連続バーディを奪って単独首位に浮上。ゲームとしては手に汗握る面白い展開になったが、最終的に終盤16番から4つスコアを落としてプロ初優勝を逃した。
「今までこういった経験(首位で最終日)は少なかったので、どういう感情でいったらいいのか、自分の中にはありませんでした。いつも通りのプレーを意識したのですが、追いつかれたり、自分が思った通りに打てなくなると少し焦ってしまって。パーオンを優先したマネジメントが最後の方はできなかったと思います」。2日目までは、ピンを狙わずパーオン優先のマネジメントを心がけたが、優勝争いの渦中ではいつも通りのゴルフができなかった。
プロテストではトップ合格を果たし、ファイナルQTでは16位で来季の前半戦出場権。順調に結果を残してきた。「自分はパーオン率が高いとスコアがいい」と分析し、プロテストからパーオン優先のマネジメントに変更。これが奏功し、高い安定感を発揮できるようになった。
今大会も2日目まで好プレーを継続した。敗因についてはショットやパッティングではなく、精神面を挙げる。「今後同じような状況になった時に、自分がどう考えたらいいかという経験になりました。うまくできなかったところを次回に生かしていきたい」と前を向く。
来季は開幕戦から出場できる。目標は「ルーキーイヤーで初優勝」と明確だ。「今回よりもレベルが下がらないように。できていたことは意識し続けて、今回足りなかったメンタル面やスコアを落とした要因のクラブだったり、しっかりと振り返って同じようなことをしないように取り組んでいきたいです」。
プロ初戦で賞金135万円を手にしたが、それ以上に“優勝争いの経験”という大きな収穫を得られた3日間。この経験を糧にして、目標達成へ突き進む。(文・小高拓)
