「私を育ててくれたソフトボールに恩返しをしたいという思い、夢を叶えてくださったみなさまに感謝しながら、きょうは楽しみたい。みなさんもケガのないよう楽しんで頑張ってください」。報道陣にも公開された25日、開会式で主催者あいさつに立った渋野は、目の前にいる小学生たちに、こうエールを送った。 渋野自身も8歳から始めたソフトボールに小学生時代に熱中し、今でも「ゴルフよりも好き」と語るほど。“夢のプロジェクト”が実現した。
始球式では投球も披露。エースで四番だった“現役時代”を彷彿(ほうふつ)とさせるフォームで、キャッチャーミット目がけて投げ込む。その時バッターボックスに立っていたのは、こちらも岡山県出身で、2021年の東京五輪女子ソフトボール金メダリスト・原田のどかだ。そして、これが“真剣勝負”に。打ちにいった原田の打球はファーストゴロで、渋野に軍配。右手を高々と上げて、 マウンド上で笑顔が弾けた。
試合中は地元テレビ局が年明けに放送する番組用に実況・解説を務めたほか、外野の芝生の上を使用し同時開催されたスナッグゴルフ教室では講師も担当した。決勝に進めなかった参加チームの代表者が参加した教室では、マンツーマン指導をし、集まった子どもたちとふれあいの時間も過ごした。さらに“急きょ”サイン会を開いたり、ホームラン大会などのアトラクションの時間も設けられたりと、楽しさが詰め込まれた一日になった。
閉会式では再び壇上に立ち、「わたしの名前でこういう大会を開催できたのは、本当に夢のようで、本当に感謝しかないです。いい戦いをいっぱい見せてくれて、ありがとうございます。わたしの来年の活力になります」と総評。子どもたちはもちろん、渋野にとっても“夢の大会”は大成功のうちに幕を下ろした。