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“天才”がぶつかったスイングの壁 金田久美子がコースで見せてきた努力の物語【辻にぃ見聞】

“天才”がぶつかったスイングの壁 金田久美子がコースで見せてきた努力の物語【辻にぃ見聞】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2022年11月1日 11時30分

絶妙なパッティングで難コースを乗り切った金田久美子
絶妙なパッティングで難コースを乗り切った金田久美子 (撮影:米山聡明)
先週の「樋口久子 三菱電機レディス」は、2011年「フジサンケイレディス」以来となる11年ぶりの優勝を果たした金田久美子の涙で締めくくられた。21歳で初勝利を挙げた後は、シード喪失や、極度の不振など苦しい時期も長く過ごしながら、“天才”と呼ばれた少女が33歳を迎えたシーズンに復活。ツアー史上最長ブランクVになる勝利にたどり着いた。その勝因や道のりを、上田桃子、吉田優利らのコーチを務める辻村明志氏が語る。

優勝スピーチで大粒の涙を流す金田久美子【写真】

■貪欲で真面目なコースでの姿

「いい優勝でした。こういう優勝がたまには見たいなって思える、そんな優勝でした」。辻村氏は感動のラストシーンを思い返し、しみじみと語る。「金田さんはゴルフ人生に物語がある選手。それを知っているから勇気をもらえる」。こう話す辻村氏の頭に真っ先に浮かぶのは、いつもひたむきに練習に取り組む金田の姿だ。

今回の勝利を「人間味が感じられる優勝」と辻村氏は表現する。3歳からゴルフを始め、8歳で「世界ジュニア選手権」制覇。トーナメントでも、プロ転向までに15回のベストアマを獲得するなど“天才少女”の名をほしいままにした。21歳でプロ初優勝を挙げたが、ここ数年は低迷からの浮上を目指すシーズンが続くことに。「練習に諦めがなく、とにかく、ひたむき。ゴルフ場に入るとストイックで、悩みながら、納得するまで打ち込む」という姿を辻村氏も証言する。

この11年間について金田は優勝会見で、「信じられない時もありましたけど、これ(優勝)を夢見て、目標に頑張ってました」と言葉をつまらせながら話した。プライベートの写真を掲載すると、SNSに『そんなことしてるから勝てないんだ』など心無い声も届いたという。「みんなが思ってるほどメンタルも強くない。でも絶対に勝って見返してやるとずっと思ってました」。こんな心境も明かしていた。

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