さらに、続く17番パー4では2打目をグリーン手前に刻んだ。前日ではグリーン奥の池に落としてダブルボギーを叩いており、同じ失敗を繰り返したくなかった。「15番のティイングエリアに立ったとき、他の組の選手が2人池に入れていたのを目撃しましたし、せっかく16番で良いパーセーブをしたので刻むことにしました」。
結果的にボギーとなったが、もしここでダブルボギーを叩いていれば、2位とは1打差。一気に勝負は分からなくなっていただけに、最悪を避ける選択は正しかった。スイングの不安もなくなり、したたかな駆け引きができるようになったともいえるだろう。
今回の優勝でメルセデス・ランキング2位に浮上してきた稲見。「今は順位よりも、もう1回勝つことに集中したいですね」。国内ツアーに集中するために「全米女子オープン」にはエントリーしなかったが、それだけの価値はあったようだ。(文・山西英希)
