年が明けてもなかなか状況は好転しない。だが、上田桃子が5月に優勝した時に悩んでいるのは自分だけではないことも分かった。アドレスで左に向いてしまっていることも分かった。いいプレーができる日も増えてきた。少しずつではあるが、良い流れができつつあった。
迎えた最終日。首位と1打差の2位で迎えた16番のパー5で、優勝へのビッグプレーが生まれた。フェアウェイから何としてもチャンスにつけたい3打目はピン手前に着弾、2バウンドすると、そのまま転がりカップイン。「まさか入るとは」。打った本人も驚く逆転を決めたショットインイーグルは、これまで苦しいことを耐えてきたご褒美だったのかもしれない。こうして2年ぶりとなる優勝をつかんだ。
しかし、この後の試合では成績を残せず今季はこの1勝のみだった。誰よりも満足していないのは鈴木自身だろう。これまで何度も悔しさを力に変えてきた27歳は、新たなシーズンでどんなプレーを見せてくれるのか。
