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稲見萌寧の2つの基礎練習 地味なことを続けられる強さが賞金女王へと導いた【辻にぃ見聞】

稲見萌寧の2つの基礎練習 地味なことを続けられる強さが賞金女王へと導いた【辻にぃ見聞】

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2021年11月29日 11時30分

■中途半端な距離も正確に打てるウェッジショット

また、稲見と古江の特筆すべき強さとしてウェッジショットがある。「稲見さんはフェースに乗せて運ぶのがうまい。距離感も素晴らしい。だから、距離のあるパー5の2打目で多くの選手は好きな距離を残そうとしますが、稲見さんはスプーンで結構突っ込んでいきます。ウェッジでの勝負に持ち込める」。その正確性を生み出した練習が、いわゆる3時→9時の振り幅で打つまさに“基礎的な練習”。

最終日の9番パー5でも、残り60ヤードのラフからの3打目をウェッジでやわらかく打って、左手前に切られたピンの手前2メートルに乗せ、バーディにつなげている。フルショットできない中途半端な距離をまったく苦にしていない。

「リストを使わずにオンプレーンで打つこの練習を徹底してやっていました。アプローチでスイングプレーンを意識できている人は多くありません。それがすごくショットに生きている。またアプローチも多彩な技があるわけではありませんが、正確なチップショットでグリーンを外しても大体寄せられる打ち方をしています」

とにかく基礎、基礎、基礎。地味な練習を続けられるからこそ、好不調の波を最大限に短くしてピーク以外でもカップを手にすることができたのだ。その積み重ねが賞金女王というかたちになったのは言うまでもない。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、小祝さくら、吉田優利、阿部未悠などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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