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賞金はプロのステータス〜女子ツアーの歴史に見るその大切さ〜【原田香里のゴルフ未来会議】

賞金はプロのステータス〜女子ツアーの歴史に見るその大切さ〜【原田香里のゴルフ未来会議】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2021年11月17日 11時30分

プロゴルファーにとって、賞金は大きな意味を持っています。今後、その“価値”を図るのは、賞金からポイントに替わっていく予定ですが、現在までは稼いだ賞金額が、その強さを表していたからです。

私が初めて賞金をもらったのは、1989年フジサンケイクラシック。43位タイの賞金は22万円でした。賞金が振り込まれるのは、翌週の木曜日くらいだったと思います。上位で終わった翌週に銀行に行くと残高がポン!と上がって「先週頑張ったからだな」とニヤッとしたこともあります(笑)。

賞金の管理は自分でしていましたが、いつ稼げなくなるかわからない商売だということは自覚していました。だから計画的に使ったり貯めたり、さらには将来的なこと、自分が現役を退く頃のことまでを親と相談していました。
今の選手たちはとても若いということもあって、ご両親などにお金の管理を任せている人が多いようです。けれども、賞金は、自分が死ぬほど努力して、プロゴルファーになって稼いだお金です。当然、家族の絶大なる協力があってプロゴルファーになったのですが、管理をしてもらうことはあっても、自分でもしっかり把握して、将来を考えるほうが健全だと思います。未成年であれ、20歳そこそこであれ、プロとして“仕事”をしている以上、もう子供ではなく社会人なのですから。

日本の女子ツアーの賞金について、改めて調べてみました。1967年に日本プロゴルフ協会女子部として始まり、翌68年には、日本女子オープンと日本女子プロゴルフ選手権の2試合が始まりました。賞金総額は2試合で95万円。このうち35万円を稼いだ樋口久子さんが賞金女王です。2試合とも優勝したのですから、当然でした。

現在のようにツアー制となった88年には、年間の試合数は38試合。年間の賞金額は13億8683万5000円でした。その後、増減はあるものの、基本的には賞金は右肩上がりに増えてきました。ややこしいので試合数が半端になった20年の分を別にすると、21年だけで38試合。賞金総額42億3000万円もあります。53年前の4000倍以上に増えています。4000倍!? 改めて計算して私も驚きましたが、それだけ女子ツアーがみなさんに認知していただいているということだと思います。

初期には樋口久子さん、それから岡本綾子さんというスーパースターが引っ張ってくださって、女子ツアーは大きくなってきました。今のように選手が低年齢化したのは、何といっても03年に宮里藍さんがアマチュアとしてツアー競技のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンに優勝したのがきっかけだったでしょう。若い選手が次々に出てくるのと並行して、人気も高くなってきました。

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