■アダム・スコットの言葉でコーチを付けないスタイルに
植竹がそう考えるようになった裏にはきっかけがある。アダム・スコット(オーストラリア)が2016年の日本オープンに出場したとき、ジュニア向けに行った講演会での言葉が、心を大きく揺さぶった。植竹はその場にいなかったが、妹が講演会の動画を撮って見せてくれた。
「質疑応答でジュニアの子の1人が『上手い選手の真似をしたら、その人くらい上手くなれますか』って質問したんです。それに対してアダム・スコットさんは、『誰かのモノマネではオンリーワンになれない。そこそこまでは行けるかもしれないけど、そこから我流にアレンジしていかないと絶対に強くなれない』って言ったんです」。特定のコーチはつけないが、男子プロやもともと教わっていた人にも助言は求める。そして合うものを自分で見つける。いまの植竹のスタイルができていった。
今シーズンが終わった後には、モーションキャプチャ技術でスイングを3D解析する『GEARS(ギアーズ)』を使った計測を考えている。「スイングの重心位置とか関節の使い方をもっとこだわってできそうだなと思って。オフに大改造というか、もっと精度を高くしたい。やっぱり全部一番が良いですから」と笑顔で語る植竹。究極の“我流スイング”をもっともっと磨いていく。(取材/文・下村耕平)
