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「一生忘れない」涙の初優勝 堀琴音に“狂い”を自覚させた愛媛での一球

「一生忘れない」涙の初優勝 堀琴音に“狂い”を自覚させた愛媛での一球

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2021年7月11日 18時46分

低迷期を乗り越えた堀琴音 全身で勝利の喜びを表した
低迷期を乗り越えた堀琴音 全身で勝利の喜びを表した (撮影:佐々木啓)
ニッポンハムレディスクラシック 最終日◇11日◇桂ゴルフ倶楽部(北海道)◇6763ヤード・パー72>

トップと2打差の2位でスタートした堀琴音が、トータル14アンダーで並んだ若林舞衣子との3ホールに渡るプレーオフを制し、ツアー初優勝を挙げた。勝利の瞬間は、苦しんできた数年間の記憶が一気に込み上げる、そんな“一生忘れることができない1勝”となった。

優勝インタビューで大粒の涙を流す堀琴音【写真】

18番で行われたプレーオフ3ホール目。残り数センチのパーパットをカップに沈めると、両手を大きく掲げガッツポーズ。そして次の瞬間、目から熱いものが込み上げ、止まらなくなった。「シードを落としてから苦しかった。そういう気持ちが込み上げてきて、頭が真っ白になって、泣いてしまいました」。堀は“どん底”の状態にいたころを思い返した。

13年の日本ジュニア優勝や、ナショナルチームメンバーとしてアマチュア時代から活躍していた堀がプロテストに合格したのは、兵庫・滝川第二高卒業後の2014年だった。すると、ツアー本格参戦を果たした翌15年のシーズンで、賞金ランク33位となり、いきなりのシード入りを果たした。「ツアーに出はじめた時は勢いだけでした。シード入りもしたけど、技術はなかった」。当時のことを今はこう振り返る。

16年は賞金ランク11位とキャリアハイの1年に。17年もトップ10入り9度など、ランク21位で楽々シードを守った。だが実はこの年の終盤には、異変を感じ始めていた。「エリエール(大王製紙エリエールレディス)の2日目の2番でアイアンが左にOBになった。そのあたりから『おかしいんじゃないか』と思い始めました。かみ合わなくなっていって」。トリプルボギーの原因になったこのショットは、今も忘れることはない。そして翌年から、生命線であるショットの狂いは歯止めがきかないものになっていった。

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