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稲見萌寧の“私っぽい”優勝 21ホールの死闘支えた亡き祖父の言葉

稲見萌寧の“私っぽい”優勝 21ホールの死闘支えた亡き祖父の言葉

所属 ALBA Net編集部
谷口 愛純 / Azumi Taniguchi

配信日時:2021年3月14日 17時45分

21ホールの激闘を制した稲見萌寧 まさに“忍耐”の勝利だった
21ホールの激闘を制した稲見萌寧 まさに“忍耐”の勝利だった (撮影:岩本芳弘)
明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント 最終日◇14日◇土佐カントリークラブ(高知県)◇6228ヤード・パー72>

座右の銘に掲げる『忍耐』という言葉は、3年前に亡くなった祖父から受けついだ。その言葉を優勝会見で改めて口にすると、こらえきれずに涙がこみあげる。稲見萌寧の通算3勝目は、まさに忍耐が問われる21ホールだった。

こらえきれずに涙をこぼす稲見萌寧【最終日フォト】

2日目には強風の中で6アンダーをマーク。2位に3打差をつけて最終日を迎えたが、厳しい戦いになる予感はあった。「2日目までは、自分でも『上手いな』と思っちゃうくらいのショット力。初めて3打差広げての単独だったんですけど、予想通りでした」。

前半でスコアを2つ落として折り返し、なんとか上位を保ったが、10番パー5で大トラブルに見舞われる。ティショットが大きく右に曲がってガケ下へ。隣の15番ホールのラフまで落ちて、10番グリーンも狙えない状況だった。4打目でなんとかグリーン左サイドのラフまで持っていき、5打目のアプローチで20センチに寄せてガッツボギー。この時点で疲労困憊だったが、「ボギーで終われて、まだチャンスがあると思った」と心は折れなかった。

14番でもう1つ落としたものの、トータル6アンダーでホールアウト。トップはキープしたが、永井花奈とのプレーオフが待っていた。バーディが獲りづらい18番パー4の繰り返し。1ホール目、2ホール目と両者パーで上がり、3ホール目に突入。セカンドショットは、2人がピタリと同じ花道についた。ピンまで残り20ヤード。先に打った稲見が1.5メートルにつけると、永井のボールは稲見の外側へ。パーパットを外した永井の後に、1.5メートルのパーパットを沈めて勝負あり。力強く3回ガッツポーズを見せると、キャディと抱き合って喜んだ。

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