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長いものに巻かれるな “男女平等”わきまえない女【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

長いものに巻かれるな “男女平等”わきまえない女【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

配信日時:2021年2月9日 18時00分

前述のように、差別は、している側が無自覚な場合が多い。ゴルフコンペを例に挙げればわかりやすいだろうか。当たり前のように各組に女性を入れる組み合わせ。ふざけるな! と怒っている女性が多いのを感じている男性がどれだけいるだろうか。「仕事でもないのに、なんで接待しなくてはならないのか」。これに対して「女性はプレーが遅いから」という言い訳のような答えもよく聞くが、すでにここでまちがっている。飛んでも曲がる男性より、飛ばなくてもまっすぐ打てる女性のプレーのほうが早いことも多いし、上級者もいる。「女性」と十羽ひとからげにしている時点で話にならない。 

日頃、男女差別などしなそうな男性でも、これを聞いて「そんな風に感じるんだ」と驚くのを見ると、意識の低さに愕然とする。こんな例は枚挙にいとまがない。

一方、女性の側にも差別がないとは言えない。「女のくせに」、「女らしく」などと言われると怒るのに「男のくせに」、「女々しい」などという言い回しを平気でしてしまう。意味もなく女性を前面に出し、甘えるのも姑息だ。子供の頃からの刷り込みや環境、時代の“常識”は、常に意識していないと直らない。

ボランティアの辞退が続いたことに対し、二階俊博自民党幹事長が「あんなことで」と、森発言を軽く見るようなことを言って火に油を注いだ。

83歳の森氏、81歳の二階氏は、男尊女卑がまかり通った時代に生まれ、戦後も、その考えを修正できずに来たのだろう。組織委員長として、あるいは政治家として現役でいるのであれば、少なくとも公的には最低限アップデートされた感覚を持たなければ、通用しない。もはやそれがゴリ押しできないことを自覚するべきだし、それを許す周囲がいるなら、同罪だ。

複数の日本駐在大使館が、SNSでこの事態に対する抗議運動を展開している。オリンピアンも含め、抗議の声を上げている女性アスリートがいるが、こんなものなのだろうか。ゴルフも含めた女性の競技団体や、アスリートはもちろん、男性アスリートからももっとその声が出てしかるべきではないのか。もちろん、アスリートに限ったことではない。声を上げることは力になる。

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