日頃、男女差別などしなそうな男性でも、これを聞いて「そんな風に感じるんだ」と驚くのを見ると、意識の低さに愕然とする。こんな例は枚挙にいとまがない。
一方、女性の側にも差別がないとは言えない。「女のくせに」、「女らしく」などと言われると怒るのに「男のくせに」、「女々しい」などという言い回しを平気でしてしまう。意味もなく女性を前面に出し、甘えるのも姑息だ。子供の頃からの刷り込みや環境、時代の“常識”は、常に意識していないと直らない。
ボランティアの辞退が続いたことに対し、二階俊博自民党幹事長が「あんなことで」と、森発言を軽く見るようなことを言って火に油を注いだ。
83歳の森氏、81歳の二階氏は、男尊女卑がまかり通った時代に生まれ、戦後も、その考えを修正できずに来たのだろう。組織委員長として、あるいは政治家として現役でいるのであれば、少なくとも公的には最低限アップデートされた感覚を持たなければ、通用しない。もはやそれがゴリ押しできないことを自覚するべきだし、それを許す周囲がいるなら、同罪だ。
複数の日本駐在大使館が、SNSでこの事態に対する抗議運動を展開している。オリンピアンも含め、抗議の声を上げている女性アスリートがいるが、こんなものなのだろうか。ゴルフも含めた女性の競技団体や、アスリートはもちろん、男性アスリートからももっとその声が出てしかるべきではないのか。もちろん、アスリートに限ったことではない。声を上げることは力になる。