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急激に“進化”しているアプローチ技術 原英莉花がメジャー連勝を達成できた理由を分析【辻にぃ見聞】

急激に“進化”しているアプローチ技術 原英莉花がメジャー連勝を達成できた理由を分析【辻にぃ見聞】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2020年12月2日 07時00分

「原さんは、基本的にフットワークをうまく使ってスイングするタイプ。そのなかで手足のバランスがいい時と悪い時があります。悪い時はバランスが悪くて上下動が大きくなるように見えますね」

とはいえ調子の浮き沈みは、シーズンを戦っていればどんな選手にも訪れるもの。辻村氏はそれよりも、「テークバックの際、原さんはヘッドが動くよりも先に、まず足の裏がしっかりと地面をねじるように動き、そこからスッとヘッドが上がってスイングにリズム感を生み出しています。手が1番、体が2番ではない。ここは師匠のジャンボさんに似ている部分ですし、いつ見ても素晴らしいと思います」と、常に変わらない長所をほめたたえた。ここの基盤がしっかりしているため、大きくは崩れない。

だが何よりも辻村氏が賞賛したのは、決して調子が万全ではないなか最善を尽くし、メジャーを獲った“姿勢”についてだった。

「今回の勝ち方で大きいのが、絶好調で勝ったわけではないということです。もちろんコンディションを整えることは必要ではあるけど、ツアーを戦う選手は、調子がいい時だけ成績が出ればいい、というわけではありません。今の状態でできる最大のことをしないといけない。“現在の調子が今のベストである”ということは、特に今の若い選手には分かってもらいたいですね。原さんも今回の勝利が、今後のゴルフの幅を広げるはずです」

難しいコーライグリーンで、2〜3メートルのしびれるパットをねじ込み、必死にパーを拾う原の姿を見て、辻村氏は「気持ちで入れていたのが画面越しにも伝わってきた」と感心した。原も「(2人1組の)2サムで、目の前の選手と戦っているという感じがあった。普段は入らないようなパットも気持ちでねじ伏せたという場面もありました」とその時の心境を話していた。今回の優勝を語るうえで、グリーン周りの技術の向上はもちろんだが、精神面、これを外すわけにはいかない。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくら、吉田優利などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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