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最難関ホールで大逆転 永峰咲希の勝利を支えた長いパー3攻略と二つの“流れ”【辻にぃ見聞】

最難関ホールで大逆転 永峰咲希の勝利を支えた長いパー3攻略と二つの“流れ”【辻にぃ見聞】

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2020年9月15日 15時00分

さらに9番は4日間通して最も難しかったホール。右ドッグレッグのパー4で、右には池、左にはバンカーとラフ。「飛ばし屋にとっては打ちにくいホールでプレッシャーがかかります。8番で耐えて、余裕を持ってティショットを打ちたいところでヒギョンさんのプレッシャーは倍増。対して永峰さんはここをパーで切り抜けた。前半で伸ばし8番、9番で耐えて後半に入るという誰もが狙っていた流れをつくって、さらに10番、11番でも永峰さんはバーディ。この4ホールで一気に主導権が移りました」。

もう一つの流れは「ニトリレディスで6位に入ったのも永峰さんにとっては大きかったと思います。あの難コースでの上位フィニッシュも自信になっていたのではないでしょうか」。難コースに対する勝負の流れができており、さらには今大会のアーメンコーナー、8〜10番で流れをつかんだことが勝負を決めた。

■160〜190ヤードのパー3で落とさずに逆に稼いだ

流れという意味では、プロになってツアー本格参戦後、一度もシードを落としていない永峰の経験が生きたといってもよさそうだ。飛距離が出るパワータイプではない代わりに、「特にどこかが極めて秀でているわけではないかもしれませんが、言い換えれば総合力があるということ。スイングもゆったりしたテンポで、“間”がズレない。大きな間でスイングするからショットの安定感があります」と、各選手が苦戦したコース特有の長いパー3でも本来の安定感のショットで苦しむことはなかった。

今大会のパー3は16番の160ヤードがもっとも短く、8番が180ヤード。3番と14番が190ヤードと女子ツアーの中では屈指の長さ。そこを最終日の8番でのバーディを含み4日間通じて3アンダー。しのぐどころかスコアを伸ばしたのが勝因でもあった。「長い上にグリーンの傾斜がきつい中で、そこでスコアを落とす選手が多かったです」という中での3アンダーが、メジャー優勝の下地をつくっていた。

ショットで大ケガをせずに、さらにパッティングも要所を締めた。「3〜5メートルくらいのパッティングが決まっていました。全体では上位ではなかったかもしれませんが、チャンスをものにしていました」と、4日間通してのパッティングは18ホール平均「29.5」で際立って少ないわけではなかったが、ピン位置に対してバーディが獲りやすいところにつけて、ミドルレンジを決めるという好循環で乗り切った。

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