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「せめて練習場だけでも…」 “新様式”のツアー会場でクラブメーカーが抱える苦悩【記者の目】

「せめて練習場だけでも…」 “新様式”のツアー会場でクラブメーカーが抱える苦悩【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2020年9月1日 07時49分

「例えば、調整したクラブを使った選手から“左にボールが出る”という意見が出ても、“どういう球の出方をしたから左に出てしまったのか”という部分までを話から汲み取るのは難しい。一つの結果には、様々な原因やプロセスがあります。そしてそれがクラブの問題なのかも含めて、実際に目で見ないとわからないことは多いです。今はヒアリングすることしかできないので」

最適なクラブを作るうえで、選手の“使用感”は当然ながら大きな判断材料となる。選手がツアーバスに行くことは許されているため、新たに調整したクラブの感触について、直接声を聞くこともできる。しかし、その調整を施した人だからこそ分かることも多い。『あの調整でこの球が出る。ならばシャフトを替えてみたらどうなるだろうか』など、ツアーレップが自分の目で見て気づいたことも、クラブ調整における重要な材料となる。

さらに、選手の球を直接見ることができないことは、こんな弊害も生み出す。本来であれば、『練習場で選手が打った球を見る→それを基にバスで調整→すぐに選手に渡す』というサイクルがあったが、それもこれまでと同じようにはいかない。映像で試合を見て、それを参考に調整となると、実際に選手にクラブが渡るのは翌週以降の話になってしまう。「(選手と)100%のコミュニケーションが取れない」という現状のなかでは、なかなか“最適解”を見つけることができず、さらに遅れが生じるケースだって十分に考えられる。

またツアーバスを持っていないシャフトやグリップメーカーは、現時点で会場に入ることは許されていない。そのためこの部分の要望が出た場合は、会場にいるメーカー同士が在庫として持っているものを“シェア”し合い、選手に渡しているのが現状だという。

とはいえ、もちろんメーカー側もすべてが“今まで通り”にいかないことは重々承知だし、一気に状況が変わることを望んでいるわけではない。ただ「現状維持ではなく、少しずつでもよくなっていけば」ということを願っている。「選手が活躍するために、納得いくクラブを渡すこと。それで私たちは大会に貢献していると思っています」。現在メーカーとして日本女子プロゴルフ協会に要望を出しており、一歩でも、あるいは半歩でも前に進めるよう、ここからも方法を模索していく。

現在もコーチや家族など、会場に入れない関係者は多い。そして、この状況がどこまで続くのかは、新型コロナウイルスという見えない敵に左右されるため、誰にも予想することはできない。ただ、このメーカーの話に関しては、混雑緩和のために打席近くまで入れる人数を制限(元々会場に入れるのも2人までに制限されている)したり、メーカーごとに時間を設定するなど、打開策もあるのではないか、そんな気がした。

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